仮想化ソフトでのサーバ統合は5年間で約2億円のコスト削減:ITR試算

田中好伸(編集部) 2009年11月05日 11時23分

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 サーバ統合でのコスト削減効果は5年間で約2億円、コスト削減率は70%以上――。アイ・ティ・アール(ITR)が11月5日に発表した試算調査で、仮想化ソフトを活用したサーバ統合のコストメリットが明らかになった。

 ITRは、3年前にリリースされたサーバと現在のサーバを比較することで、x86サーバのリプレースでどの程度のコストメリットを得られるかを試算。試算では、2006年にリリースされた100台のラックマウント型x86サーバを使用しているケースを“モデルA”、同じ性能を現在販売されている新型の同形式のサーバと仮想化ソフトで実現するケースを“モデルB”として、両モデルの5年間の総所有コスト(TCO)を比較した。

 試算では、ハードウェア購入、仮想化ソフトウェア購入、初期設置、ハードウェアの保守契約、設置場所(スペースや空調)、ハードウェアの電力、サーバの管理人件費といった7つの項目を設定。より現実的なリプレースモデルを考慮して、新しい構成では、ネットワークストレージとサーバ仮想化ソフトウェアを加えた。設置場所は社外のデータセンターのレンタルラックを使用したケースと、オフィス内のデータセンターという2つのケースを想定した。

 同社の試算では、3年前にリリースされたサーバ100台を利用するモデルAに比べて、性能が向上している新型のサーバと仮想化ソフトウェアを利用したモデルBは、同一の処理性能を維持しながらもサーバ台数を減らすことができるため、ハードウェアだけでなく電力などの維持管理コストの削減も可能となり、コスト削減メリットが明らかであることが判明している。

 今回は、社外のデータセンターのレンタルラックと社内のデータセンターという2つの設置場所で試算しているが、どちらの場合でも、5年間のコストを比較すると、モデルBはモデルAに比べて約2億円のコスト削減効果が見込まれ、コスト削減率は70%を超えるという結果になっている。サーバ統合化で、無停電電源装置(UPS)を従来の分散型から統合型に変えることで、5年間で約1200万円のコスト削減が実施できることも明らかになったとしている。

長期間の利用は必ずしもコスト削減にはつながらず

 x86サーバは一般的に購入時に、3年間の基本保守が無償で付属しており、24時間サポートなどの有償サポート内容を加える場合、差額のみ契約となることから、3年契約を結ぶケースが多いという。4年目以降は、無償サポート部分がなくなることから、同じサポート条件であっても延長保守契約の価格が上がってしまう。

 そこで、3年前に購入したサーバを3年間使用した後で4年目に新型のサーバにリプレースするケースを“モデルC”として設定。3年前に購入したサーバを5年間利用するケースのモデルAと比較すると、モデルCはモデルAに比べて、社外のデータセンターを利用した場合で9000万円以上、社内に設置した場合でも1億円以上のコスト削減が見込まれ、コスト削減率は34%という結果になったとしている。

 さらにITRは、サーバを新型にリプレースする場合、どの程度の台数であれば、コスト効果が出てくるのかを調べるために、20台から100台までを20台刻みでの試算を行っている。この試算では、どの場合でもコスト削減の効果を得ることができ、台数が多いほど削減率が高まる傾向にあることが分かったとしている。

 5年間利用する場合では、削減率が70%を超えるのに社外のデータセンターに設置するのでは80台以上、社内のデータセンターに設置するのでは60台以上という結果になっているとした。3年使用して、4年目に新型にリプレースする場合では、設置場所に限らず40台以上であれば、コスト削減率は30%以上となっているという。こうした結果から、3年前のサーバを新型にリプレースする場合は、40台以上が望ましいとしている。

 仮想化ソフトを活用したサーバ統合は普及しつつあるが、これまで企業は減価償却期間である5年以上の期間、サーバを利用することが一般的であり、慣習としてより長期間利用することがコスト削減に対する有効な手段と考えられている。こうした状況を受けて、ITRは今回の試算を行った。

 試算結果からITRでは、x86サーバの性能と仮想化技術の向上は、予想以上に効率的なリソース利用が可能と説明。なるべく長期間利用することがサーバに対するコスト削減に対する有効な手段であるという従来の考え方は改める必要があると提言している。ユーザー企業は自社の条件に基づいて、より詳細なコスト試算や評価を行うことで、サーバを刷新するタイミングを再検討した方がいいとの提言もしている。

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