さらなる進化が求められる2014年--CIOが直面する課題 - (page 2)

Patrick Gray (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2014-01-06 07:30

優秀な人材の確保

 2000年代初頭のドットコムバブルを経験した人であれば、よい待遇を求めて転職したITスタッフが、仕事を失うのを恐れてすぐに飼い慣らされてしまったのを目撃しているはずだ。多くの人は喜んでほとんど何でもやろうとし、その後数年間は、最小限の人件費増加で、記録的な生産性の向上が見られた。

 すでに、スタートアップ業界が最高水準の人材を抱えて再生してきており、もし経済が2014年に中立の状態に戻れば、才能のあるITスタッフへの需要は、大きく増える可能性が高い。そうなれば、捕虜収容所を真似たような職場や人事方針しか持たない企業は、一番苦しむことになるだろう。

 面白いことに、従業員を引き付けるのに一番重要な要素は、給料の高さではない。最高の人材の流出を防ぐもっとも低コストな方法は、厳密で透明性の高い人事評価プロセスと、明確な昇進への道、そして面白い仕事を提供することだ。人事方針についてよく見直し、最高の人材をひきとめておくことが、いずれ経済が回復したとき(そして従業員によりよい条件を提示できるようになったとき)に役に立つだろう。もしIT部門が素晴らしい職場であれば、経済状況が変わらなくても、最高の人材を引き抜くチャンスがあるかもしれない。

CIOは重要なのか?

 Nicholas Carr氏が著書「ITは重要なのか?」(Does IT Matter)を出版してから10年が経った。これは、すべてのCIOが、毎年自分自身に問いかけるべき質問だ。少々乱暴に聞こえるかもしれないが、マネージドサービスとIT部門のLights-outの実現可能性によって、純粋にユーティリティを指向するCIOの重要性は下がっている。高いアップタイムを維持することは、今では期待されて当然のことになっており、それで認められることはなくなった。また、ビッグデータなどの複雑になっていく技術が、社内のIT部門の頭越しに、外部の専門家が直接雇われる例を増やしている。自分のIT部門や、CIOとしての自分自身が、他の部門や役員にどう見られているかを考えてみるといい。あなたは、重要な戦略的決断が下されたあと、技術的な問題を解決するために呼ばれる配管工にすぎないのだろうか。それとも、自分の会社の将来を形作るために、信頼できるアドバイスや洞察を提供できる人材だと思われているのだろうか。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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