ポストPC時代の次のフェーズであるコンテクスチュアルコンピューティング、3Dプリンティング、そしてウェアラブルコンピューティングの主流化は、現在見えている2014年のテーマの一部にすぎない。
ビジネステクノロジにとっても、今後1年間は、大きな変化が同時に起こり、業界のリーダーシップが再編される、興味深い年になるはずだ。
この記事では、ZDNetの世界中の編集者から集めた、2014年の重大テーマについて紹介していく。
Larry Dignan記者:ポストPCの影響は大きい
筆者にとって最大のテーマの1つは、今後の「Windows 8.1」の行く末だ。言い訳できる時期は過ぎ、Microsoftのエコシステムから出てくるハードウェアは改善され、Windowsの値段も上手に設定されている。最大の問題は、今後も多くの人がWindowsマシンを買うかどうかだ。そうならない場合、その事態は「Office」などのMicrosoftのシリーズ製品にとって何を意味するのだろうか。この問題については、2014年の早い時期に、大手テクノロジ企業が状況の報告を始めれば答えが見えてくるはずだ。Windowsに関する心配が現実になる可能性が高い理由は、いくつかある。
- 「Chromebook」シリーズはかなりよく売れている。
- Appleの「Mac」シリーズも堅調だ。
- 今はポストPC時代だ。
- PCメーカーが採用するOSの選択肢を広げてくる可能性も高い。「Android」を搭載するPCさえ登場するかもしれない。
これらの不安要素を積み上げると、Windowsはこれまでほど盤石ではないことがわかる。2014年は、Windowsの競争力が判明する年になるかもしれない。
特筆すべきほかのいくつかのトレンドは、次のようなものだ。
- 3Dプリンティングが(サプライチェーンの中で)主流になる。3Dプリンティングに関する記事の多くは、消費者向けアプリケーションに関するものだ。しかし、これはもう古い。2014年の本当の革命は、サプライチェーンで起ころうとしている。3Dプリンティングはサプライチェーンを強化し、オンデマンドで部品が作れるようになることから、製造のルネッサンスが起こる可能性がある。われわれ全員がメーカーになるわけだ。
- ビッグデータが本格的に利用される。ビッグデータは2012年のもののように感じられるかもしれないが、本物の企業向けアプリケーションは、2014年に出てくる。これらの先進アプリケーションはまだ世に出ておらず、あらゆる企業はデータこそがもっとも重要な資産であることを知っている。企業は2014年も引き続きビッグデータを重視する。
- エンタープライズソフトウェア企業は(ある程度)クラウドに移行する。Adobeによる、ライセンス供与とメンテナンスのビジネスから、「Creative Cloud」への移行は、ためになる事例だった。この事例は、まだSaaSに取り組んでいないほかのソフトウェア企業にもコピーされるだろう。今後1年間は、それらのテクノロジ企業がクラウドに移行する、再編成の年になるかもしれない。