富士通研究所、オープンデータの利用を支援する自動リンク付与技術を開発

NO BUDGET

2014-01-16 16:34

 富士通研究所、富士通研究開発中心有限公司、Fujitsu Laboratories of Europe Limitedは1月16日、国や企業が所有するデータと、世界中で公開されているLinked Open Data(LOD)の間で、同じ対象を表現するデータを発見し、リンクを自動的に付与する技術を開発したと発表した。

 公共データの民間開放、いわゆるオープンデータの取り組みの中では、ユーザーが利用しやすいよう、異なるサイトで公開されている関連データに対しリンクするLODが推奨されている。しかし、リンクを付けるには他サイトで公開されているデータの内容を理解し、関連するデータを発見する必要があり、LODの課題となっていた。

 今回開発された技術は、表記やデータ構造の類似性から同一となる対象を高い精度で推定し、リンクを付けることを可能にするというもの。表記の類似度を測定、データ構造から同一対象の異なる表記を収集、それらをパラメータ化して機械学習手法により同一性を判定する、といった各種機能の組み合わせで推定する。この技術は、中国や米国の学術会議が主催した評価コンテストにおいて、第1位の推定精度を達成したとのこと。


開発したアルゴリズムの概要(富士通提供)

 さらに、世界中で公開されているLODを収集して一括検索するLOD活用基盤と連携することで、世界中のLODの中から同じ対象を表すデータを発見することが可能になるという。例えば、英語版のデータセットだけでなく、各国語版のデータセットに対しても、同時にリンクを付与できる。

 富士通研究所では、本技術と連携可能なLODの検索サービスを、2014年1月中に一般公開する予定。この検索サービスではLOD活用基盤による視覚的かつ対話的な検索インターフェースが利用できるという。世界中で公開されているLODの中から、ライセンスやダウンロード条件に適合したデータセットに対し、概要を検索したり、データの中身を参照するといった機能が提供される。

 今回開発した技術は、官公庁や自治体におけるオープンデータの各種実証実験に適用して技術検証を進め、2015年度中の実用化を目指す。

Keep up with ZDNet Japan
ZDNet JapanはFacebookTwitterRSSメールマガジンでも情報を配信しています。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

  4. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  5. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]