これら事例のほかにも、井関農機と協力し「農業生産管理SaaS 生産マネジメント」をカスタマイズしたサービスを井関農機から提供する予定であることや、井関農機の農業機械から機械情報や作業情報などのデータを収集する取り組みが紹介された。
2013年7月に富士通が開設した自社農場「沼津Akisai農場」では、施設園芸SaaSや農業生産管理SaaSなどを実践する場として活用し、検証結果をもとにサービス開発を加速させているという。この2月からは「会津若松Akisaiやさい工場」で、低カリウムレタスの本格量産を開始する。同工場は、半導体製造に使われていた2000㎡のクリーンルームを活用した完全閉鎖型の植物工場で、生産物を実際に販売するほか、Akisai適用のレファレンスとしても活用する。
富士通 イノベーションソリューション事業本部 ソーシャルクラウドサービス統括部 シニアディレクター 山崎富弘氏
説明会では、12月に発表された農業生産管理SaaSのラインアップ拡充として、農産物の品種や地域、ブランドごとに最適な栽培暦を導き出す「栽培暦の最適化」機能、小規模農家向けエントリー版「農業生産管理SaaS 生産マネジメントライト」、仕入れや加工から販売業務までを管理する「農産加工販売SaaS」、農業特有の勘定科目を装備した会計サービス「農業会計SaaS powered by GLOVIA smart きらら」の4つを紹介した。
イノベーションソリューション事業本部ソーシャルクラウドサービス統括部シニアディレクターの山崎富弘氏は「Akisaiの商品ラインアップ強化の方向性としては、フードチェーン全体での連携活用とデータの高度活用を想定している」と説明した。
Akisaiは、グローバルでも積極的に展開していく予定で、すでに施設園芸SaaSや「牛歩SaaS」は韓国で実用化されてる。台湾や中国、トルコ、ポーランド、オーストラリアでも実証実験が進められている。次期実証候補としては、アメリカ、カナダ、ブラジル、アルゼンチン、タイ、モンゴル、ロシアが挙がっている。