データにも証拠能力が求められている--メール送信証明サービスが果たす役割

大河原克行 2014年03月03日 13時51分

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 AOSリーガルテックは、メールとSMS(Short Message Service)を送信したことを第三者機関として証明するサービス「i証明」を提供している。スペインのLleida.netの技術を活用したもので、すでに欧州や南米では、5年ほど前からサービスを提供。政府や自治体、金融機関、カード会社などが導入しているほか、任天堂の欧州現地法人でも採用しているという。

 同サービスを活用して、タブレット端末上で商談での提案、申し込み、契約締結までの手続きを簡単に行え、契約当事者双方にその場で契約内容の証明書メールを送信できる「i契約タブレットアプリ」の販売も開始した。

電子内容証明文書よりも安価

 i証明は、請求書や契約書などの重要文書を送信したことを法廷に証拠として提出できる「送信証明書」として発行できるサービス。AOSリーガルテック インターネット送信証明センター コンサルタントの田村郷司氏がサービスの意義をこう説明する。

田村郷司氏
AOSリーガルテック インターネット送信証明センター コンサルタント 田村郷司氏
杉浦和彦氏
AOSテクノロジーズ AOSモバイルカンパニー CMO 杉浦和彦氏

 「企業におけるコミュニケーションの媒体が、紙からネットを介したデータへと移行しているのは明らか。これを背景にネットを介してやり取りするデータも、紙の文書のやり取りと同様に証拠能力としての有効性が求められ始めている。特に契約書や請求書などの重要文書をメールで送信する場合は、企業のリスク管理としても証明書は重要な対策になる」

 紙文書では、書留郵便や配達記録で郵送したことを証明するが、i証明は、電子データで同様にメール送信したことを証明するものになる。

 AOSテクノロジーズ AOSモバイルカンパニー 最高マーケティング責任者(CMO)の杉浦和彦氏は「欧州では、メーカーが取引先に対する通知でi証明サービスを活用したり、大手銀行が請求通知や契約条件の通知などに活用したりしている。選挙の投票日通知や新サービスの通知などの住民サービスに活用する自治体もある。オークション出品されたものが本物であるかどうかを見極めるために、i証明を利用している例もある」という。

 i証明は、メールを対象とした「i証明メール」とSMSを対象にした「i証明SMS」にサービスが分かれている。

 i証明メールは、事前に管理画面を通じて送信者のアドレスを登録。送信者は、通常利用しているOutlookなどのメールソフトの「cc:」欄に、同社が運営するインターネット送信証明センターのメールアドレスである「mail@id.aos.com」を入力して、相手にメールを送信する。

 インターネット送信証明センターからは、ほぼ同時に受取人宛に同様のメールを送付することで、当該メールアドレスが実際に使用され、メールが受信されていることを確認。これをもとに、送信したことを証明。差出人からのメールの送信証明書をシステムに保存する。

 送信者は、専用の管理画面から証明書を確認できる。メールに添付されたデータも送信証明の対象となるが、zipファイルは対象外となる。


送信証明書のサンプル

 料金は1通あたり100円。1ポイント1円のプリペイド方式を用い、事前に購入した分を使用する形をとる。新規のアカウント作成は無料で、3回まで利用できるポイントが付与される。

 「法律事務所やカード会社、消費者金融、運輸、旅行会社などを想定している。日本郵便が提供する電子内容証明文書は、1枚で1740円かかるが、このサービスは1通100円で済み、内容証明文書送付の代替としても活用できる」(田村氏)

 証明書はPDFファイルとして保存されており、閲覧にはAdobe Acrobat Reader XIを推奨している。同社では、i証明メールを試用できる無料トライアルを用意しており、demo@id.aos.comをメールソフトのcc:に入力すると、5回まで無料で利用可能だ。

 2月末から提供している予定のi証明SMSでは、専用の管理画面からSMSを送信すると、SMSの基本機能を利用することで送信先に端末にまで到達したことを確認。送信者の電話番号、送信先の携帯電話番号、メッセージ本文、送信日時の証明書を発行できる。

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