学校法人鶴学園の広島工業大学は、シンクライアント端末を利用した仮想デスクトップ環境(VDI)を整備し、4月1日から運用を開始した。日立製作所が4月14日に発表した。
システムは全学生4519人向け、日立製作所のクラウドサービス「Harmonious Cloud」のプライベートクラウド環境上に構築された。
学生は、学内のPC教室や自習室などに設置された650台のシンクライアント端末から、必要なOSやソフトを搭載した仮想PC環境を利用できる。VDIでは動作が困難とされる3D CADなど画像処理が必要なソフトウェアも同システムでは利用可能だ。
システム管理者はソフトウェアのインストールやOSの入れ替えなどをサーバ側で一括できるほか、需要のピークにあわせ、PC環境を一時的に増加させるなど、コストの削減ができるとした。
システムでは、ヴイエムウェアのVDIソフトウェア「VMware Horizon View」を用い、ハイパーバイザ「VMware vSphere」によってサーバ群を仮想化、集約した。また、GPUの仮想化が可能になったため、仮想化環境でも3D CADが利用可能になったとした。
同大学では、高速なCPU や大容量メモリなどを搭載した高性能なPC環境に、授業で利用する3D CADや統計解析などのソフトウェアをインストールして利用していた。これらのPCは授業用の特定の教室に設置され、その台数も180台程度と限られており、授業以外で学生が利用することは難しい状況だった。
VDIの整備で学生は、学内のさまざまな場所に設置されたシンクライアント端末から、これらのソフトウェアを利用できるようになり、予習や復習などの自学自習が可能となる。さらに、学生が任意のPCやタブレットを利用し、自宅などの学外で学習できるよう、整備を進めるとした。
広島工業大学の「仮想デスクトップ教育基盤システム」の概要図