既報の通り、インドITサービスベンダー大手のTata Consultancy Services(TCS)と三菱商事は子会社3社を統合する。4月22日に来日したTCSの最高経営責任者(CEO)のNatarajan Chandrasekaran氏は、統合後の新会社の売上高は6億ドルを超える見込みを明らかにした。
統合するのはTCSの日本法人であるタタ コンサルタンシー サービシズ ジャパン(TCSジャパン)と三菱商事の100%子会社であるアイ・ティ・フロンティア(ITF)、TCSと三菱商事の合弁会社である日本TCSソリューションセンター(NTSC)。6月末にも手続きが完了し、7月から営業を開始する。人員は2400人以上になる見込みだ。
Tata Consultancy Services CEO Natarajan Chandrasekaran氏
Chandrasekaran氏は3月時点で、日本市場での人員が800人であり売上高は1億ドルであることを明らかにした。NTSCは2012年1月に設立。Chandrasekaran氏はNTSCの取り組みについて「ビジネスモデルを成功させてきた」と言及。ITFについて「戦略的試みが可能」と語り、今回の統合に可能性があると説明した。
ここ数カ月にわたって交渉し、統合を決定したという。7月から稼働する新会社のトップに誰が就任するかは明らかにしなかったが、新会社の人員は2400人以上となり、年商は6億ドルを見込んでいる。
世界46カ国で事業を展開、30万人の従業員を抱え、直近の売上高は134億ドルというTCSはアプリケーションの開発や運用保守のほかに業務そのものを外部に委託するBPO、SAPやOracleなどの統合基幹業務システム(ERP)パッケージの運用保守をビジネスとしている。新会社は、BPOの拠点にも活用する考えだ。
TCSの強みについてChandrasekaran氏は「さまざまな業種でのグローバルのベストプラクティスを抱えている」と説明、新会社のビジネスは「TCSのグローバルデリバリネットワークでサポートする」とし、「日本企業のグローバル化を手伝っていきたい」と語った。今回の統合について同氏は「TCSが戦略的市場である日本市場に真剣に取り組んでいくことの証明」と表現した。