ビデオストーリーの作成を可能にする、Adobe Systemsの「iPad」向け新アプリ「Adobe Voice」を使いたいと思いつつも、そのライセンス条項が商用利用を禁じているかのように読める点に懸念を抱いていたユーザーもいたはずだ。
しかし心配は無用だ。同社は商用利用について問題ないとの見解を示した。
同社の広報担当者であるAlex Dewey氏は「われわれは、商用目的でのAdobe Voiceの使用を無条件に許可する(そして使用してもらいたいと考えている)」と述べたうえで、「われわれは現在、(ライセンス契約の)こういった条項を改定してより明確化するために弁護士と協議しているところだ」と述べた。
同アプリは、話した言葉と画像や楽曲を組み合わせ、ビデオストーリーを簡単に作成できるようにすることを目的としている。Adobeによると、Adobe Voiceは無償のアプリであり、クリエイティブ分野のプロフェッショナルに焦点を当てた同社のソフトウェアよりも幅広い市場にリーチすることを念頭に置いているが、今後は一連のプレミアム製品とともにファミリを構成することになるという。
同アプリの商用利用に関する懸念はそのライセンス契約にある。そこには、ユーザーは「Adobeから具体的な許可を受けていない場合に、商用目的で物品またはサービスの販売活動を行う(広告および物品またはサービスの売買の申し出を行うことを含む)」ためにAdobeのサービスを利用しないことに同意すると記されている。
しかしDewey氏によると、このような利用規約は、カラーテーマの作成および管理を行う「Adobe Kuler」におけるカラー選択テクノロジのようなAdobeサービスを対象としたものであり、「宣伝用のマテリアル向けの広告スペースとしてこういったサービスを利用してほしくない」という意図のものだという。
また、ユーザーは「本サービスもしくはマテリアルの部分を複製、販売、取引、再販売、または商用目的で利用すること、サービスもしくはマテリアルを使用すること、またはサービスもしくはマテリアルにアクセスすること」ができないとされているライセンス条項によっても混乱が引き起こされている。この条項を読んで、デザイナーはAdobe Voiceを使用して顧客向けのプレゼンテーションを作成することが許されていないと考える人々もいた。
Dewey氏によると、これもまた問題にならないという。
Dewey氏は「われわれが述べているのは、ユーザーがわれわれのサービスを他者に販売できないということだけだ。例えば、『Creative Cloud』のログイン情報を誰かに貸し出すことはできない」と語った(Creative CloudはAdobeのサブスクリプションサービスであり、そのサービスの下にすべての新規ソフトウェアが提供される)。また同氏は「デザイナーがAdobe Voiceを使用して顧客向けのビデオを作成するというのはまったく問題がない」とも語った。
提供:Adobe Systems
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。