「Android OS」に含まれるJavaをめぐるOracleとGoogleの長期に渡る争いにおいて、Oracleは米国時間5月9日に下された判決によって重要な勝利を手にした。
ワシントンD.C.にある連邦巡回控訴裁判所は、Javaの特定部分が著作権で保護されるというOracleの主張を認める判決を下した。なおJavaは、企業間での著作権戦争が続くなか、OracleがSun Microsystemsから2010年に取得した人気のプログラミングフレームワークだ。
Oracleは2010年、世界で最も普及しているモバイルOSであるAndroidに搭載されているJavaの37のAPIを含め、GoogleがOracleの特許を侵害したとしてGoogleを提訴した。
2012年5月の陪審判決では、GoogleはOracleの特許を侵害しておらず、検索大手からモバイル業界の巨人となったGoogleが使用しているJava APIの構造は著作権の保護対象とはならないとの判断が下された。
しかし連邦控訴裁判所の3人の裁判官は9日、この決定を覆し、コードの一部は実際に著作権法によって保護されるものだとの判断を示した。
とは言うものの、Googleの弁護側が主張しているフェアユース(公正な使用)の正確な範囲を決定するためにさらなる検討が必要となる。
Oracleの顧問弁護士であるDorian Daley氏は声明で、同社が今回の判決に「極めて満足」しており、Googleの主張が受け入れられていれば、「コンピュータのコードに対する著作権保護が大幅に制限される」ことになっていたと述べている。
また同氏は「連邦控訴裁判所の判断はOracleと、著作権保護に依存するソフトウェア業界全体にとって、イノベーションを推し進め、開発者がそのブレークスルーに対して確実に報いられるようにするうえでの勝利である。フェアユースの原則は、企業による著作物のあからさまな侵害の保護を目的とはしていない。このため、地方裁判所では結論が見送られていたフェアユースの原則の適用について、同裁判所で今後適切な判断が下されるものと確信している」と付け加えている。
Googleは今回の判決に「落胆している」と述べたうえで、同判決が「コンピュータ科学やソフトウェア開発に悪影響を及ぼす前例を作るものであり、(われわれは)取り得る選択肢を検討している」と付け加えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。