ビッグデータ、実ビジネスでの活用段階に移行--アーリーアダプターから事例

山田竜司 (編集部)

2014-05-16 07:30

 IDC Japanは5月15日、国内ビッグデータソフトウェア市場の調査結果を発表した。2012年の同市場の規模は、前年比23.6%増の48億6900万円だった。2017年には250億円以上を予測している。

 IDCでは、「100Tバイト以上の規模で収集されるデータ」「音声や映像、金融取引情報、センサなどのハイスピードストリーミングデータ」「年率60%以上の成長率で生成されるデータ」のいずれかを条件としたソースを利用し、スケーラブルな基盤で解析可能なデータをビッグデータと定義している。

 同市場を(1)データを収集、保存する基盤「Data Organization &Management」、(2)収集したデータを分析、解析する基盤「Analytics & Discovery」、(3)シナリオに基づいて分析、解析したり、自動化されたルールベースでトランザクションを解析したりする「Decision Support & Automation Applications」の3つのセグメントに分類している。セグメント別では(1)が17億5200万円、(2)が18億7900万円、(3)が12億3800万円となっている。

 2013年にはNEC、富士通、日立製作所などの国内大手がビッグデータを自社の成長戦略の中心に据えた。Oracle、IBM、Microsoftなどもインメモリーデータベース、列指向データベース、垂直統合型システムなどビッグデータと親和性の高い技術を提案している。

 トレンドはITベンダー以外の企業にも波及し、ビッグデータを活用したビジネスの改善事例、マーケティング強化などの事例が “アーリーアダプター”から発表されている。ビッグデータソフトウェア市場は、売り手側中心のバズワード的な盛り上がり方から、実ビジネスで活用される段階に移行しつつあると説明した。

 IDCは「ビッグデータソフトウェア市場は今後、急速に拡大する。この市場拡大で商機を得るにはマジョリティユーザー層へ訴求する必要があり、システムインフラ課題の解決やコンサルティングの拡大、パートナーエコシステムの確立準備が重要」と指摘している。


2012~2017年 国内ビッグデータソフトウェア市場 エンドユーザー売上額予測(IDC提供)

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