“XP特需”なくてもソフトウェア市場は堅調--今後はクラウドに移行:IDC調査

山田竜司 (編集部)

2014-06-05 17:28

 IDC Japanは6月5日、2013年の国内ソフトウェア市場の売上額実績を発表した。2013年は前年比8.0%増の2兆4469億円。企業の業績が回復したことに加えて、Windows XPのサポート終了に伴うPCの買い替え特需があったためと分析している。

 分野別の動向では、アプリケーション市場が前年比7.1%増の1兆169億1800万円、アプリケーション開発/デプロイメント市場が前年比7.1%増の5155億7100万円、システムインフラストラクチャ市場が前年比9.6%増の9144億1100万円となった。

 システムインフラストラクチャ市場が10%近い成長となった理由は、買い替えでPCの出荷台数が増加し、搭載されるWindowsの売り上げが伸びたため。

 アプリケーション市場でも、Office 2003のサポートが終了したことで更新需要が増加した。アプリケーション開発/デプロイメント市場では、ビッグデータの需要が高まり、データベースや分析ソフトウェアがデータベース/アナリティクスソフトウェアが成長をけん引した。 2014年の国内ソフトウェア市場は、XP/Office 2003特需反動から前年比3.0%像にとどまると予測している。

 2015年以降は継続したソフトウェア投資が見込まれ、2013~2018年の年平均成長率(CAGR)が3.8%、2018年には2兆9551億3200万円と予測している。大分類市場別のCAGRは、アプリケーション市場が2.6%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が6.2%、システムインフラストラクチャ市場が3.8%と予測した。

 また、XPのサポート終了によるPC特需の影響を強く受けた3つのPC関連市場(OS、オーサリング/パブリッシングソフトウェア、エンドポイントセキュリティ)を除くと、2014年のソフトウェア市場は前年比5.0%増と、国内ソフトウェア市場全体の3.0%増と2ポイントの差が出た。

 2013~2018年のCAGRではPC関連市場を除くと4.7%となり、0.9ポイントの差が出た。XP関連特需の影響を除いても、国内ソフトウェア市場は堅調としている。

 IDCは、2013年までの市場動向から、仮想基盤やクラウド基盤へのシフトが成長の促進要因となるシステムインフラ市場と、ビッグデータなどの需要が高まるアプリケーション開発/デプロイメント市場が成長をけん引している。今後はクラウドとビッグデータが中心となって形成されるアプリケーション基盤の上で、新たなアプリケーションを開発、稼働するための投資に徐々にシフトしていくと予測している。


2013~2018年国内ソフトウェア市場予測

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