独SAPとドイツサッカー連盟(DFB)は現地時間6月11日、SAPとDFBの共同プロジェクトの成果として、サッカーの分析基盤「SAP Match Insights」を発表した。Match Insightsは、インメモリデータベース「SAP HANA」上で実行され、トレーニングや事前対策、トーナメントの分析などができる。
監督やスカウトは大量のデータを処理し、各試合の主要な状況を特定、評価することで、選手やチームのパフォーマンス向上のためにMatch Insightsを用いる。
SAPとサッカードイツ代表チーム監督の共同プロジェクトでは、選手のフィールドでのパフォーマンスを高め、チームを優勝へと導いてくれる製品の開発を目指した。Match Insightsのユーザーインターフェースは、選手や監督でも使用でき、チームの結果報告と今後の試合の対策について双方向の対話を促すほどという。
SAPのブランドアンバサダー兼ドイツ代表チームのマネージャー、ドイツ代表の元ストライカーでもあったOliver Bierhoff氏は、「わずか10分の間に、(例えば10人の選手と3つのボールを使う場合)700万件以上のデータポイントが生成されることもある。HANAであれば、これらをリアルタイムで処理できる。ドイツ代表チームは、この膨大な量のデータを分析し、トレーニング方法をカスタマイズして、次の試合への対策を立てられる」と説明した。
ドイツ代表チームは今後、Match Insightsを使用し、ワールドカップブラジル大会の各試合について、対策と事後分析に取り組む。SAPはスポーツエンターティンメント業界向けの製品強化に伴い、Match Insightsを他のクラブやサッカー連盟にも提供する予定だ。
SAPとDFBが、連盟のビジネスプロセスの強化に向けたパートナーシップを発表したのは2013年。最近では、ドイツ代表チームのフィールドでのパフォーマンスを強化するためのソフトウェア開発も共同で取り組む。SAP Match Insightsは、こうした目的による初のプロジェクトだという。
DFBは以前も顧客関係管理(CRM)「SAP CRM」や、チケット管理ソフトウェア「SAP Event Ticketing」を実装し、HANAをベースにしたクラウド「SAP HANA Enterprise Cloud」上で稼働しているという。
SAP Labsのブラジル担当マネージングディレクター、Stefan Wagner氏は、「ファンの体験、選手のパフォーマンスのモニタリング、チーム管理、チケットの発券、会場運営など、テクノロジはあらゆる分野に革新をもたらしている」と述べている。
サッカードイツ代表