日本オラクルが先頃、ハードウェア製品戦略に関する説明会を行った。旧サン・マイクロシステムズとの統合から4年が経過した中で、果たしてオラクルはサンを生かせているのか。
SPARC/Solarisもさらなる強化へ

会見に臨む日本オラクル システム事業統括の飯尾光國常務執行役員(左)と宮坂美樹プロダクト・マネジメント・オフィス本部長
「オラクルがサンを買収して4年経った中で、サンから引き継いだハードウェア事業は着実に伸び、2014年5月期で前期比11%増の235億円と買収以来最高の売上高を達成することができた」
日本オラクルでシステム事業を統括する飯尾光國常務執行役員は、同社が先頃開いたハードウェア製品戦略に関する説明会でこう強調した。
飯尾氏は今後のハードウェア製品戦略として、「エンタープライズの要求を満たす唯一のクラウドプラットフォームを目指す」とし、例えばサーバでは「ソフトウェア・イン・シリコン」や「インメモリ」といったオラクルならではの独自技術への投資を一層強化していく姿勢を示した。
では、果たしてサンの技術資産は生かせているのか。サンの技術資産といえば、代表的なのはプロセッサの「SPARC」とOSの「Solaris」だ。
飯尾氏はSPARCについて「今後5年先までのロードマップを明らかにしている」として、2015年、2017年、2019年にそれぞれ新しいプロセッサをリリースしていくと説明した。2015年にリリースされるものについては、すでに内容が明らかになっている。
一方、Solarisについては最新版「11.2」がリリースされたばかりだ。同社システム事業統括プロダクト・マネジメント・オフィスの宮坂美樹本部長によると、「特に効率性、セキュリティ、オープンの3つの機能を大幅に強化した」という。
具体的には、効率性については統合パッチによる迅速かつ効率的なアップデート、セキュリティについてはSDN(Software-Defined Network)による仮想ネットワークのマルチテナント機能の実装、オープンについてはOpenStack対応によりオンプレミスからクラウドへシームレスな移行を可能にしたことがポイントだとしている。