オラクル、モバイルアプリ開発フレームワークとサービスバスをセットで提供

三浦優子 2014年08月06日 14時30分

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 日本オラクルは8月5日、モバイルアプリケーションの開発、既存アプリケーションとの連携、セキュリティ対策という3点を実現する統合基盤「Oracle Mobile Suite」の提供を始めた。マルチプラットフォーム対応のモバイルアプリケーション開発フレームワーク「Oracle Mobile Application Framework(MAF)」、社内システムとモバイルデバイス間でデータやサービスを連携させる「Oracle Service Bus」、デバイス上の社内アプリとデータを分離して保護し、管理するモバイル用セキュリティの3つを1つにまとめた。

 日本オラクルの執行役員でFusion Middleware事業統括本部長の桐生卓氏は、「社長の杉原以下、クラウドナンバーワン企業を目標にビジネスを進めている。クラウドを推進すると、アクセスデバイスが増加し、結果としてモバイルへの取り組みが必須となる」とモバイル対応の拡充は戦略上必須の流れだと説明した。

桐生卓氏
日本オラクル 執行役員 Fusion Middleware事業統括本部長 桐生卓氏

1つの画面から見たい

 日本オラクルでは、「2020年にナンバーワンクラウド企業になる」という目標を掲げている。その目標実現に向け、「クラウドが増えれば増えるほど、アクセスするデバイスはパソコンオンリーからさまざまなデバイスに拡大し、異なるアクセス元であっても、1つの画面から見たいという要求が高まる。これを受け、今回、モバイルアプリケーション開発に必要なものを1つにしたパッケージを提供することとなった」(桐生氏)と説明する。

 新製品は、投資意欲は高いものの、実際に導入した企業の割合が少ない、エンタープライズ向けモバイルアプリケーションに必要な“開発、つなぐ、安全”という3つを一つのパッケージとした。

清水照久氏
日本オラクル Fusion Middleware事業統括 ビジネス推進本部 製品戦略部 シニアディレクター 清水照久氏

 MAFは、1回の開発でiOSやAndroidなどマルチプラットフォームに対応する。モバイルOSは進化のスピードが激しいが、モバイルプラットフォームの変化に応じて、各種フレームワークに対応する。「Javaで開発できるので、従来の技術とスキルがそのまま活用できる」(日本オラクル Fusion Middleware事業統括 ビジネス推進本部 製品戦略部 シニアディレクター 清水照久氏)

 MAFは、「Oracle JDeveloper」「Eclipse」などの統合開発環境に対応するとともに、JavaScriptやHTML5などを利用できる。ユーザーインターフェースを構成する80種類のコンポーネントを用意している。モバイルデバイス上で開発したモバイルアプリケーションを稼働させるための実行環境「Oracle Mobile Suite Client Runtime」も含まれる。

 社内システムとモバイルデバイス間でのデータのやり取りとサービス統合については、Service Busが対応する。RESTとJSONに対応する。「Oracle E-Business Suite Adapter」「Oracle Technology Adapters」といったアダプタの利用で既存機能への簡易な接続を実現し、複数アプリケーションの混在環境への対応、データへの高速アクセスなどを実現するという。

 セキュリティでは、デバイス上の社内アプリとデータを分離して保護、管理する。コンテナからのデータの閲覧、操作を制限するポリシーを採用する。どのモバイルプラットフォームに対しても一貫してサポートするという。社内のアプリケーションサーバとはセキュアな通信を実現し、社内向けアプリストアの開設にも対応する。IDサービスについても、冗長性、重複を排除し、リスクやポリシーベースの段階によって分けられた認証を提供する。

 税別価格はMobile Suiteが10ユーザー、1アプリケーションの場合で500万円から。MAFは別売りでも提供し、10ユーザー、1アプリケーションの場合で11万9600円から。

 日本オラクルではターゲットとする業種、サービスとして19分野を挙げている。事例としてはサンフランシスコ市運輸局が提供する市民向けのパーキング状況可視化のためのシステムや、海外の大手建設業で利用されているプロジェクト情報共有基盤、国内の大手製造業のエンタープライズダッシュボードを紹介している。

 「導入に適しているのは、アプリケーションを利用するユーザーの数が多い企業か管理対象アプリケーションが多い場合。既存システムを有効活用したいという顧客に適している」(桐生氏)

 既存の社内アプリケーションをモバイル化するためのクラウドサービス「Oracle Mobile Cloud Service」も提供する予定としている。

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