ソフトバンク・テクノロジー(SBT)は8月18日、仮想デスクトップ基盤(VDI)のシンプルな導入と運用を支援できるというパッケージ製品「vStack」シリーズの提供を開始した。VDI環境に必要なサーバやネットワーク、ストレージ、ソフトウェア、基本設定作業をパッケージ化した。
vStackは、x86サーバを組み合わせてストレージを定義する(Software-Defined Storage:SDS)ソフトウェア「VMware Virtual SAN(VSAN)」と、VDI環境を構築するソフトウェア「VMware Horizon View」の組み合わせが軸。SBTのVDIの導入実績やノウハウから導き出された最適なシステム構成をパッケージ化した。
vStackの概要(SBT提供)
100~1000ユーザー向けスタンダード構成の「vStack Rapid Pack」と、50~150ユーザーを対象とした概念実証(PoC)向けの「vStack Starter Pack」がラインアップされ、オプションとしてウイルス対策や負荷分散(ロードバランサ)、仮想専用網(VPN)でのリモートアクセス、ゼロクライアントなどが用意されている。
パッケージ化したことで導入期間を短縮するとともに、ストレージの専門知識を不要とし、導入後の運用管理も簡素化できるという。ユーザー増強の際にも、1Uサーバをオンラインで追加するだけで拡張できるスケールアウト型となっている。
SBTは、VMwareのプレミアパートナーであり、2006年から仮想化技術を手掛けてきた。VSANにいち早く着目し、活用ノウハウを築き上げており、VDIでのVSANの設計や構築に携わってきた。チューニングやセキュリティ、ネットワークまでSBT自ら検証を重ねており、vStackシリーズでは経験から得たベストプラクティスを集約しているという。
これまでVDI導入には、初期費用に加え、設計や構築のノウハウ、高性能な共有ストレージの運用負担といった課題があったとしている。今回は、システムの拡張性と可用性を向上できるとともに、迅速で柔軟な業務インフラとワークスタイルの変革を実現し、あらゆるビジネスの加速を促進するという。300ユーザーを想定したケースでは、vStack Rapid Packで従来の導入パターンと比較して3分の1のコスト削減と2分の1のリードタイム短縮が可能と説明している。