伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は8月20日、性能を重視したハードウェア占有型(Hosted Desktop Infrastructure:HDI)のシンクライアントシステムの提供を開始した。リソース共有で一時的に性能が低下することなく、システムを安定的に利用できるという。
新しいシンクライアントシステムは高密度サーバ「HP Moonshot System」とサーバモジュール「HP ProLiant m700サーバカートリッジ」がベース。ProLiant m700は、GPUを内蔵したシステムオンチップ(SoC)プロセッサ「AMD Opteron X2150 APU SoC」を4基搭載している。高さ4.3U(約20cm)の筐体で計180台分のクライアント環境が提供可能で、ソリッドステートドライブ(SSD)や高度なグラフィック機能なども備えているとしている。
エンドユーザーへのクライアント環境の展開やリソース管理にはデスクトップ仮想化ソフトウェア「Citrix XenDesktop」を採用。運用時に必要なOSの展開、更新プログラムの配信、アプリケーションの配信と更新、マルウェア対策などのシステム管理は「Microsoft System Center 2012 R2」を利用している。

リソース共有型(VDI)とハードウェア占有型(HDI)の比較(CTC提供)
CTCでは、十分に検証された組み合わせとして構築し、導入期間の短縮のため設計書や手順書などのドキュメントテンプレートも用意する。CTCの総合検証センター「Technical Solution Center(TSC)」で、組み合わせや接続を検証できる環境を用意し、デモによる体感サービスも提供する。
CTCは、これまでにも多くのシンクライアントの導入実績があり、今回のHDIシンクライアントの提供で顧客の要望に対応できる選択肢を増やし、ワークスタイルの変革を通してビジネスの発展を支援していくとしている。
コンサルティングやシステム構築、運用支援サービスをワンストップで提供する。金融や製造業、流通業の顧客を中心に営業展開していき、システム構築やコンサルティングを含めた全体で初年度30億円の売り上げを目指す。