鹿児島銀、シンクライアント刷新--XenAppを採用、Hyper-Vでサーバ集約

NO BUDGET

2014-06-04 08:00

 鹿児島銀行は、情報系アプリケーション基盤となるシンクライアントシステムを刷新し、全営業店舗で稼働を開始した。構築を手掛けた日本ユニシスが6月3日に発表した。

 鹿児島銀行は、セキュリティ強化と利便性向上を目的としたシンクライアントをデスクトップ環境に利用してきた。今回、顧客サービス向上に向けて、最新の情報系アプリケーションとタブレットやスマートフォンなどに対応できる新しいシンクライアントシステムの導入を決定した。

 新しいシンクライアントシステムでは、アプリケーション仮想化ソフトウェア「Citrix XenApp」を採用、ハイパーバイザ「Hyper-V」でサーバを仮想化して統合、約100台のサーバを7割減の約30台に集約して、情報系アプリケーション基盤を再構築している。

 複数のXenAppサーバを経由する「ダブルホップ」機能でバージョンの異なるウェブブラウザ上で動作する複数の業務アプリケーションを一元的に利用できるという。通常のハイブリッド構成では、バージョンの異なるウェブブラウザ(同行ではInternet Explorer)上で動作する複数の業務アプリケーションを利用する場合、エンドユーザーが自ら必要なInternet Explorerを起動してから業務アプリケーションにアクセスする必要があった。

 ダブルホップ機能では、エンドユーザーがこの選択をする必要がなく、業務アプリケーションに応じた適切なブラウザが自動的に起動される。新システムでは、1回目のホップでXenApp 6.5の公開デスクトップにアクセスし、2回目のホップでXenApp 5.0の公開アプリケーションにアクセスするという構成となっている。

 「プリンタ制御」機能でエンドユーザーがログインした場所に応じて適切なプリンタを設定できる。例えば、デフォルトプリンタとしては通常の業務を展開する自部署のプリンタが自動設定されるため、誤印刷や印刷物の放置といったリスクを回避でき、セキュリティが確保される。設定情報はログインした場所に応じて引き継がれるため、例えば別の支店へ出張した際にプリンタを設定する、再度その支店に行った際には、前回利用したプリンタが自動設定される。

 新しいシンクライアントシステムに移行したことで、鹿児島銀行は汎用OSを搭載しない安価なゼロクライアント端末やタブレット、スマートフォン、コミュニケーションツールの利用も可能となった。

概要図
概要図(日本ユニシス提供)

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