日本IBMが先頃開いた最新のPaaSに関する記者説明会で、新たな戦略展開が浮かび上がってきた。キーワードは「統合」である。
現在は2つのPaaSを展開
IBMは現在、既存のアプリケーションをクラウド化する「PureApplication」と、クラウドアプリケーションを迅速に開発できる「Bluemix」という2つのPaaSを展開している。これらの最新動向について、日本IBMが先頃、記者説明会を開いた。
PureApplicationは、プライベートクラウドでPaaSを提供できる垂直統合型システムとして2012年4月に発表された「PureApplication System」が発端。直近では今年6月に、PureApplication Systemの技術をオフプレミスでも利用できる「PureApplication Service on SoftLayer」が発表された。
一方、Bluemixは、今年6月に正式公開されたサービスである。オープンソースソフトウェア(OSS)のPaaS環境ソフトウェア「Cloud Foundry」をベースとして、GUI部分をIBMが開発した。IaaSにはIBMの「SoftLayer」が適用されている。
PureApplicationが既存のアプリケーションをベースとしたIBM色の濃いプラットフォームなのに対し、BluemixはOSSをベースとしたオープン指向のプラットフォームといえる。
会見で説明があったこれらの最新動向の詳細については、関連記事を参照していただくとして、ここでは会見の中で浮かび上がってきたIBMのPaaSにおける新たな戦略展開に注目したい。
右から、日本IBMのVivek Mahajan専務執行役員ソフトウェア事業本部長、高瀬正子ソフトウェア事業本部クラウド・プラットフォーム・サービス事業部長、清水徳行 理事ソフトウェア事業WebSphere事業部長