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拡大するPaaS--「BlueMix」ユーザー増加、「PureApplication」パターン広がる

齋藤公二 (インサイト)

2014-08-30 06:00

 日本IBMは8月28日、PaaSの「IBM Bluemix」と「IBM PureApplication Software」の最新版の最新動向を紹介した。

 IBMのクラウドは大きく、IaaSの「SoftLayer」、SaaSでの100種類以上のアプリケーション、PaaSでのBluemixとPureApplicationに分けることができる。専務執行役員でソフトウェア事業本部長のVivek Mahajan氏によると「多様な利用形態のクラウドで顧客に価値と選択肢を提供できることがIBMのクラウドの強み」であり、PaaSとして推進しているBluemixとPureApplicationという2つも、この目標に向かって進化を続けているところだという。

Vivek Mahajan氏
日本IBM 専務執行役員 ソフトウェア事業本部長 Vivek Mahajan氏

 Bluemixは4月にベータ公開し、6月30日に正式公開したアプリケーションを開発するためのプラットフォームサービス。オープンソースソフトウェア(OSS)のPaaS環境ソフトウェア「Cloud Foundry」をベースとして、GUI部分をIBMが開発した。

 Bluemixサイト上で「カタログ(Catalog)」として公開されているデータベース(DB)などのミドルウェア、サードパーティ製サービスなどを部品のように組み合わせて、アプリケーションを簡単に開発できる。カタログには、現時点でアプリケーション作成のための簡易テンプレート(Boilerplate)が7種類、実行環境(Runtime)が4種類、サービス&アドオン(Services and Add-ons)が49種類公開されている。

 たとえば、「Java Cloudant Web Starter」というテンプレートを使えば、IBMが提供するクラウド上にJavaとNoSQL DBの環境を数クリックで構築できる。「Mobile Cloud」というテンプレートを使えば、SDK for Node.jsやプッシュサービス、モバイルDBサービス、アクセス管理などの機能を使ってモバイルアプリ環境を構築できる。

高瀬正子氏
日本 IBM ソフトウェア事業本部 クラウド・プラットフォーム・サービス事業部 事業部長 高瀬正子氏

 ソフトウェア事業本部 クラウド・プラットフォーム・サービス事業部 事業部長の高瀬正子氏によると、「4月発表時点での31サービスが61サービスへと増えた。今後も、既存のIBM製品や買収製品、サードパーティー製品、OSSコミュニティのサービスを追加していく」という。

 高瀬氏は、新たに追加されたサービスで特徴的なものとして、分散型の“DataBase as a Service(DBaaS)”を提供する「Cloudant NoSQL DB」(IBM製品)、IoTデバイスのデータにアクセスするためのAPI「Internet of Things」(IBM製品、ベータ版)、位置情報サービスの「GeoCoding」(サードパーティのPitney Bowes製品)を紹介した。

 料金体系は、契約に応じて利用期間や利用サービスを決める「サブスクリプション」のほか、必要に応じて必要なサービスを購入する「Web決済」がある。「フリートライアル」という30日間の無料枠も設けられている。5月から「IBM Bluemix Challenge」というアプリ開発のコンテストを開催中で、9月に行われるイベント「IBM XCITE Autumn」で受賞者やアプリが発表される予定だという。「ユーザーも全世界で急増している」(高瀬氏)と説明した。

 PureApplicationについては、プライベートクラウドでPaaSを提供できる垂直統合型システム製品「PureApplication System」の強化点と、そのソフトウェアの新版となる「PureApplication Software V2.0」を中心に説明した。

 PureApplication Systemの強化点としては、6月から出荷開始した第2世代ハードウェアで価格あたりの性能が最大10%向上したことや、メモリ搭載量が2倍になったことを挙げた。PureApplicationは、システム構成などを“パターン”として登録し、デプロイの迅速化や自動化、運用の効率化を図られることを特徴にしているが、公開されたパターンは200を超えたという。

清水徳行氏
日本IBM 理事 ソフトウェア事業本部 WebSphere事業部 事業部長 清水徳行氏

 理事でソフトウェア事業本部 WebSphere事業部 事業部長の清水徳行氏によると、パターン公開サイトの「PureSystems Centre」には、日本発のものも多数公開されている。「サービス開始時の2012年4月は4社5個だったが、この8月には特定業種向けや基幹業務の効率化などを対象にした、19社27個が公開されるようになった」(清水氏)

 将来的には、これらのパターンは、PureApplication Systemだけでなく、パブリッククラウド環境として6月から展開している「PureApplication Service on SoftLayer」でも利用できるようになる見込みだ。

 PureApplication Software V2.0については、可能性の向上、柔軟性の向上、運用性の向上の3点がポイントだという。可用性では、外部ストレージをサポートしたほか、外部ストレージからPureApplication Systemへのデータの複製、複数ラックや複数データセンターへのパターン配布などの機能を追加した。

 柔軟性では、これまでのパターンだと、OSとWebSphereやDB2などのミドルウェアをセットで提供していたが、これを切り離して、それぞれを独立した要素として取り扱うようにした。ポリシーベースで管理できるようにもなった。加えて、パターンの中で、OSSのIaaS環境構築管理ソフトウェア「OpenStack」のオーケストレーションツール「Heat」によるデプロイ、OSSの運用管理ツール「Chef」のレシピを使った管理ができるようになった。

 運用性では、コールホーム機能をサポートし、問題判別を容易にし、ログの自動収集とアップロード、複数ラックの統合管理などの機能が強化されたとしている。

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