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BlueMixを拡充、IBM版アプリストア開設--Impact 2014

田中好伸 (編集部)

2014-04-30 08:00

 米IBMは米国時間4月27日~5月1日、開発者を中心にしたイベント「IBM Impact 2014」を開催。実質的な初日となる4月28日の基調講演の中で、現在IBMがオープンベータ版として提供しているPaaS「BlueMix」(開発コード名)のサービス拡充と、IBMが提供するクラウド上で独立系ソフトウェアベンダー(ISV)などのサードパーティが開発するサービスを導入できる「IBM Cloud Marketplace」が発表された。

 Impactは、IBMのアプリケーションサーバソフトウェア群「WebSphere」を中心にしたイベント。前回のImpact 2013には約9000人が参加、講演数は約300、ユーザー企業からの講演も約170以上あった。今回のImpactの参加者は前回を上回るとみられている。

 Impact 2013では、社内の業務を処理するための“System of Record(SoR)”と顧客とのつながりを深化、拡大するための“System of Engagement(SoE)”、この2つの間でやり取りを拡大させて企業のビジネスを変革させていくという“System of Interaction(SoI)”が中心テーマとなった。今回のImpact 2014では、SoEの側に寄ってPaaSのBlueMixを中心にしてクラウドを強化すること、顧客との接点となるモバイルなどが大きなテーマとなっている。

Peter Aceto氏
Tangerine Bank プレジデント兼CEO のPeter Aceto氏

ボトルネックはインフラだった

 基調講演の冒頭にはTangerine Bankのプレジデントで最高経営責任者(CEO)のPeter Aceto氏が登壇。モバイルに注力していることを解説した。

 同行はもともと1997年に大手保険INGグループのカナダでの銀行ING DIRECT Canadaとしてスタート。支店を持たず、ネットを中心にして営業を展開していた。190万以上の顧客がおり、総資産約380億ドルとなっている。だが、INGグループは2012年に同行をScotiabankに売却。同行はこの4月からTangerine Bankに名称を変更している。

 ネットを中心に展開するTangerine Bankは顧客との接点となるモバイルには以前から注力している。Aceto氏は「顧客が何をしたいのかを理解する必要がある。ユーザー経験(UX)の向上に心を砕いている」と説明。そうした方針から開発やインフラで「一緒にジャンプしてくれるパートナーが必要であり、IBMをパートナーに選んだ」と説明した。

 Aceto氏の言葉を受けて、同行のシニアバイスプレジデントであり最高情報責任者(CIO)のCharaka Kithulegoda氏が登壇。同行のモバイル対応を解説した。Kithulegoda氏はモバイル対応を進める上でモバイルアプリの開発で「6週間かかっていたのを2週間にしたかった」とスピード重視の方針を明らかにしている。

 そうした方針からモバイルアプリの開発環境は「IBM Worklight」に統合した。顧客へのUX重視では、提供するモバイルアプリをスマートフォン「iPhone」の標準で搭載されるアプリ「Passbook」に統合した。「情報をオフラインでも見られるようになった」(Kithulegoda氏)。

 “モバイルファースト”を打ち出す同行だが、かつては「(内部システムの)インフラがボトルネックになっていた」(Kithulegoda氏)という。だが、IBMのミドルウェアを統合した垂直統合型システム製品の「PureApplication System」を採用することでボトルネックを解消できるようになったという。「インフラがモバイルのスピードに追いついてきた」(Kithulegoda氏)。現在はBlueMixで「銀行が提供するサービスのカタログを作れる」としている。

Robert LeBlanc氏
IBM ソフトウェア&クラウドソリューショングループ シニアバイスプレジデント Robert LeBlanc氏

クラウドに真剣に取り組む

 Kithulegoda氏の後には、米IBM ソフトウェア&クラウドソリューショングループ シニアバイスプレジデントのRobert LeBlanc氏が登壇して、ビッグデータという言葉が一般的に流通する状況を「データは石油と同じような天然資源」と表現して、データを活用すべきであり、そのための顧客との接点としてモバイルを活用すべきと主張した。

 だが、企業外の顧客向けに提供するモバイルアプリの開発に1年や数カ月もかけることはできないと言及。「数日や数時間で開発する必要がある」とし、モバイルがもたらすスピードに企業が対応しなければならないと提言した。そうした点からLeBlanc氏はBlueMixの有用性に言及した。

 LeBlanc氏はBlueMixの有用性を「“ビルディングブロック”で作れる」と表現する。BlueMixは、作りたいシステムに必要なデータベースの仕組みやアプリケーションの機能などをブラウザ上でマウスで選んでシステムを作れるようになっている。LeBlanc氏が言うビルディングブロックとは、こうしたことを指している。

 BlueMixについてIBMは「Composable Business」(“組立可能なビジネス”)という言葉で、その有効性をアピールしている。システムを積み木のように組み立てられ、ビジネスの速度にあわせて機能を追加、拡充できることがBlueMixの優位性であると強調している。

 BlueMixは2月に開催したイベント「IBM Pulse 2014」でオープンベータ版として提供することが発表され、今回のImpact 2014でもサービス拡充が発表された。このことからLeBlanc氏は同社が「クラウドに真剣に取り組んでいる」と表現した。

 モバイルが一般的になっている状況について、LeBlanc氏は「スマートフォンユーザーの85%が朝起きるとすぐにモバイルアプリを触る」という調査結果を示して、顧客との接点ではモバイルが大きな位置を占めるという状況を解説した。モバイル対応では、スマートフォンやタブレットから得られるデータを活用することが前提であり、加えて、顧客はUXがどういったものかを気にかけている。モバイルでもたらされるUXについて顧客は「パーソナライズしてほしい」(LeBlanc氏)

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