IBMが2月23日から4日間、米ネバダ州ラスベガスで開催している年次カンファレンス「IBM Pulse 2014」の実質的な初日となった24日、キーノートが開催され、ビジネスの主軸をクラウドに移す戦略転換を明確に示すため、さまざまな取り組みを発表した。クラウドビジネスへの多額の投資、“DevOps”をはじめとするエンジニア向けの施策、オープンテクノロジの推進団体と協働していくことなどが柱だ。
Cloudant買収を発表
IBMのソフトウェア&クラウドソリューション担当シニアバイスプレジデント、Robert LeBlanc氏
最大の発表は、IBMが持つエンタープライズソフトウェアをクラウドにも広げ、開発環境を提供するPaaS「BlueMix」のオープンベータ版を提供すると発表したこと。狙いは、クラウドでDevOpsを提供し、規模に応じたオープンな統合開発環境を提供することだとしている。
IBMのソフトウェア&クラウドソリューション担当シニアバイスプレジデント、Robert LeBlanc氏は「オンプレミス、クラウド、モバイルなどさまざまな環境にまたがるアプリケーションを迅速かつ容易に開発できるようにする」とコメント。スピードが大切と強調するほか、「次世代のアプリケーションはモバイル向けが前提」とモバイルファーストの考えを示した。
これによりDevOpsがより良いものになり「従来18カ月かかっていたものが18週間になる」と話している。
PaaS「BlueMix」を発表
また、この日、IBMは米ボストンにあるNoSQLをDatabase as a service(DBaaS)として提供するプロバイダー、Cloudantの買収を発表した。これにより、IBMはBLU Acceleration、MapReduce/Hadoop、SQL Database、JSON Database、Mobile DataにNoSQLを加えたことで、「クラウド環境で開発者にフルレンジのデータベースサービスを提供できるようになった」(LeBlanc氏)としている。
Cloudantにより、開発者はモバイルアプリケーションやウェブアプリケーションをより開発しやすくなるという。IBMのビッグデータ、アナリティクス、クラウド、モバイル製品を拡張するとともに、BlueMixの重要なコンポーネントになるとしている。
Cloudant買収を発表した