米IBMは2月23日から4日間、米ネバダ州・ラスベガスのホテル、MGM Grandにおいて、年次ユーザーカンファレンス「Pulse 2014 The Premier Cloud Conference」を開催している。これまで運用管理ソフトウェアの「Tivoli」などを中心とするイベントだったが、今回はコンセプトを一新。買収したパブリッククラウドサービス「Softlayer」を中心に、IBMがいかにクラウドへと戦略を転換しているのかを内外に示すことになる。
「IBM as a Service」というキャッチフレーズが飛び出すほど、サービス化に向けてクラウドへの思い切った戦略転換を強調している。
現地には顧客、パートナー、IBM社員など1万1000人以上が参加する。主なテーマは5つ。SaaS、PaaS、IaaSなどの取り組みを紹介する「Reinventing your business with IBM Cloud」のほか、「セキュリティ」「IT&サービスマネジメント」、資産管理のMaximoやビル管理のTRIRIGAの事例などを紹介する「Building a Smarter Analytics」、「サービスプロバイダーソリューション」だ。
日本からは、ダイヤモンドスポンサーの東芝を筆頭に、NEC、NTTデータビジネスシステムズ、NTTファシリティーズ、SCSK、エヌアイシーソフト、オージス総研、新日鉄住金ソリューションズ、ソルバック、千代田化工建設、ティーエヌエス、べニックソリューション、三菱電機インフォメーションシステムズ、竹中工務店、日本情報通信などが参加している。
初日のキーノート直前の様子
初日のキーノートには、IBMのGlobal Technology Services担当シニアバイスプレジデント(SVP)、Erich Clementi氏やミドルウェア担当のSVPであるRobert LeBlanc氏など、IBMの幹部が登壇し、IBMにとってのクラウドのビジョンを語る。2日目は、IBM Software & SystemsのSVP&Group ExecutiveのSteve Mills氏などが登場。製品レベルの機能を紹介する予定だ。この際、ユーザー事例として、Honda North Americaのチーフエンジニアも話をする予定になっている。
初日である米国時間24日、IBMは企業データやアプリケーションをクラウドに接続する独自のPaaS機能の提供に10億ドルを投資すると発表した。このPaaSのコードネームは「BlueMix」。クラウドにおけるDevOpsを提供し、規模に応じたオープンな統合開発体験を実現するという。
もう1つは、エコシステムとオープンサポートを通じてクラウドの採用を推進するとの発表だ。JavaScriptコミュニティになどのメンバーに設立されたことなど、主要なオープンソーステクノロジ推進団体と協力し、クラウドでのアプリケーション展開の簡素化を目指すとしている。
さらに、IBMが買収したパブリッククラウド企業であるSoftLayerのデータセンターに、IBMの自社サーバであるPowerSystemを採用したことも明らかにした。ビッグデータ分析など負荷のかかる複雑な処理や、ハイブリッドクラウドの構築のため、PowerSystemを導入してSoftLayerの性能を強化する考えだ。
ZDNet Japanは、Pulse 2014の様子を現地からレポートする。