IBM、フラッシュストレージ「FlashSystem」に新製品--専用のパートナー支援も

大河原克行

2014-01-24 15:30

 日本IBMは1月24日、フラッシュストレージの新製品「IBM FlashSystem 840」を発表。税別価格は4Tバイト、シングルRAID、1年保証による製品構成で1576万円となっている。あわせてIBMパートナープログラム「IBM Flashパートナーズ」を展開することを発表した。

 FlashSystem 840は、I/O処理性能を従来モデルの2倍となる110万FLOPSとし、基幹業務向けに信頼性を高めたのが特徴。ひとつの筐体に最大48Tバイトのストレージを搭載可能で、インターフェースには40GビットのQDR InfiniBandに加え、1秒あたり16Gビット対応のファイバーチャネルと10GビットFCoEを追加。ストレージI/Oのボトルネックを解消し、システム全体を高速化することで、データのリアルタイム分析や高い密度でのサーバ集約が可能としている。

  • 縦と横の2次元で構築する2D RAID

  • FlashSystem 840(大企業向け)の構造

 フラッシュモジュール単位で構成されるRAIDに加えて、モジュールをまたがったRAIDを構成する“2D(二次元)RAID”で可用性を向上させる。コンポーネントの冗長化とホットスワップ対応でビジネスを止めずにメンテナンスできるという。

 フラッシュのチップに障害が発生した際には、自動的に性能とストレージのキャパシティを調節し、システムの停止時間を削減する「IBM Variable Strip RAID」技術を採用することで、I/O性能を保ちながら、可用性を向上させられるとしている。

 コンカレント・コード・ロード機能でシステムを停止することなく、コードを入れ替えでき、これらの機能でデータベースサーバや仮想化基盤、クラウド基盤などシステム停止が許されない業務に適しているとした。金融業界の要望に対応するため、「AES-XTS」の256ビットの暗号化に対応し、フラッシュストレージに保存されているデータを高いセキュリティ環境で保護できるという。

佐野正和氏
日本IBM システム製品事業本部 ストレージセールス事業部ストレージ・ソリューション・エバンジェリスト 佐野正和氏
波多野敦氏
日本IBM システム製品事業本部 ストレージセールス事業部 事業部長 波多野敦氏

 日本IBM システム製品事業本部 ストレージセールス事業部 ストレージ・ソリューション・エバンジェリストの佐野正和氏は「FlashSystem 840はレーシングカー並の性能を追求した製品であり、高速性の追求、構成選択の柔軟性、保守の容易性を強化したほか、ネットワーク接続性強化のニーズへの対応を図っている」と説明した。

データがITの中心に

 日本IBM システム製品事業本部ストレージセールス事業部 事業部長 波多野敦氏は「この15年で世界で利用されるデータは、30倍に増加している。このデータを生かして日々のビジネスにどう生かしていくかが課題となっており、データがITの中心になっている。ストレージはデータを保管する装置から脱却し、データが持つ価値を支えるための最適化が求められる製品になっている」と現在の状況を解説した。

 波多野氏は「フラッシュストレージには堅牢性や可用性のほか、瞬時の意思決定に生かすための鮮度が求められ、柔軟性を持ったアーテキクチャが必要とされている」と説明し、こう続けた。

 「IBMはフラッシュテクノロジに3年間で1000億円を投資。FlashSystemを専門に扱う組織を新たに編成している。2013年4月にFlashSystemを発売して以来、四半期ごとに販売台数が倍増する勢いとなっている。そうした中で高まってきたのが、エンタープライズの中核に利用する際に堅牢性や保守性を求める声。それに応えたのが今回のFlashSystem 840になる」(波多野氏)

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