サンフランシスコ発--Oracleのクラウド戦略は上手く行っていないのではないかと疑問を感じている人に対して、同社の幹部陣は今週、「Oracle OpenWorld 2014」のあらゆる機会を利用して、そうした疑念の芽を摘んでいる。
共同最高経営責任者(CEO)のMark Hurd氏は米国時間9月29日、報道陣に対して、「革新に遅れずについていく当社の能力は、比類なきものだ。研究開発費は、Oracleの革新を正確に表してはいない。研究開発費だけでなく、買収を通してOracleにもたらされたものも考慮しなければ、当社の革新を正確に把握することはできない」と主張した。
Hurd氏は、会長兼最高技術責任者(CTO)のLarry Ellison氏が28日夜に発表した数々のクラウドのアップデートを総括した。それらのアップデートは、クラウドサービスの3レイヤ(PaaS、SaaS、IaaS)をすべて網羅している。
同氏はEllison氏と同じ主張を繰り返し、Oracleがとりわけ標準に基づくJavaとDaaS製品群のおかげで、プラットフォームレイヤにおいて業界他社との差別化を実現していると述べた。
SaaSに関しては、Hurd氏はさらに豪語し、Oracleはどの企業よりも多くのSaaSアプリを提供しており、2014年だけで何十ものアプリが開発されたとした。数百種類以上に上るOracleのSaaSアプリポートフォリオには、それぞれ84種類以上のHCM製品とマーケティング製品、さらに113種類のサービスと69種類のセールスクラウドアプリが含まれる。
Oracleが今週行った発表には、ほかにもソフトウェア・イン・シリコンの技術を採用する「SPARC M7」マイクロプロセッサや「Exalytics In-Memory Machine X4-4」、「Zero Data Loss Recovery Appliance」、「Oracle Analytics Cloud」、「Oracle FS1」フラッシュストレージ(特にEMCを標的としている)、ドイツに新設する2つのデータセンターが含まれる。
Hurd氏は、Oracleと取引する複数の有名顧客企業の最高情報責任者(CIO)が発したコメントを振り返り、市場がクラウドという「デジタルの破壊」がもたらす機会をとらえて「利用」することをよしとする風潮に変化したことを示唆した。
むしろIT部門はより素早く革新を実行することを目指しており、その予算は「急増」しているとHurd氏は主張した。
Hurd氏とSafra Catz氏がOracleの共同CEOに昇格した先頃の経営陣再編に関して、Hurd氏はそれが及ぼしうる影響については重要視していなかった。
「われわれは自分たちの戦略を実行することに注力している。その本質は、戦略を変えることではない。それどころか、われわれは自分たちの戦略にかつてないほど集中している。自分たちには勝ち目があると感じている」(Hurd氏)
Larry Ellison氏の後を継ぐのになぜ2人のCEOが必要なのかと質問されたHurd氏は、「あなたは既にその質問に答えを出しているようだ」と笑って答えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。