日立製作所は10月22日、UNIXサーバ「EP8000 シリーズ」のハイエンドとミッドレンジサーバに、最新のPOWER8プロセッサを最大64コア搭載する新モデルを追加し、10月24日から販売を開始すると発表した。
価格は、プロセッサ動作クロックが4.35GHzで最大メモリ容量8192GBの「EP8000 E880」が7488万7100円から。同4.02GHz/4096GBの「EP8000 E870」が4087万7900円から(いずれも税別)。出荷開始は2015年1月30日。
(日立提供)
「EP8000シリーズ」は、メインフレームに匹敵する信頼性と可用性を特徴とし、OSに「AIX V7.1」を搭載しているUNIXサーバ。金融機関や製造業をはじめとする企業の基幹システムや、電力、交通などの社会インフラ向けシステムにおいて、多くの稼働実績がある。
日立では5月にPOWER8プロセッサ搭載のエントリーサーバを製品化しており、今回ハイエンドとミッドレンジでもPOWER8搭載モデルを製品化。高い処理性能と信頼性を備えるUNIXサーバを幅広く提供できるようになったとしている。
新製品の主な特徴は以下の通り。
・POWER8搭載により処理性能を向上
E880はPOWER8(4.35GHz)を最大64コアまで搭載できるハイエンドモデル、E870はPOWER8(4.02GHz)を最大64コアまで搭載可能なミッドレンジモデルとなっている。2012年4月に販売開始した 従来モデル「EP8000 780」と「EP8000 770」POWER7+プロセッサ搭載と比較し、トランザクション処理性能をそれぞれ最大約1.8倍に向上させた。
また、E880はメモリを従来モデル比2倍となる最大8192GBまで搭載できる。データベースやオンライントランザクション処理システムなど、中大規模の基幹業務システムに適した性能と拡張性を実現する。さらに、I/O帯域幅を従来モデル比で約3.2倍にまで高め、ストレージやネットワークへの接続をさらに高速化している。
・信頼性と可用性を向上
「EP8000シリーズ」の特長であるCUoD機能(Capacity Upgrade on Demand:予備用として搭載しているプロセッサやメモリを、ユーザーの要求に応じてコンソール端末から任意のコードを入力することで増設する機能)を利用して、訂正可能なメモリエラーがしきい値を超えた場合、予備メモリの領域に動的にメモリ交替を行う機能を今回新たにサポート。メモリ障害によるサーバダウンを未然に回避できる。
また、サーバリソースを監視するサービスプロセッサと、サーバ内の処理時間の同期確保に重要なクロックモジュールについて、従来、複数きょう体構成で冗長化していたものから、最小構成を含む全てのシステム構成で冗長化を図り、信頼性を高めている。
さらに、電源モジュールも、従来モデルは電源モジュールを2台標準搭載した1台+1台の冗長構成だったのに対し、4台を標準搭載して2台+2台の冗長構成を可能にした。電源モジュールの障害発生や定期保守交換の際にも冗長構成を保ちながら対応できるため、システムの可用性向上を図れる。