SAS Institute Japanは11月11日、データ分析ソフトウェアの新版「SAS Visual Analytics 7.1」の国内提供を開始した。今回のアップデートでは、小規模なデータからビッグデータまで柔軟に対応できるというデータディスカバリ型のインメモリアナリティクスとして、大幅に改善されているという。
新版では、従来から提供されている時系列予測(シナリオ分析)機能を拡張した「ゴール分析」を搭載している。目標を設定すると、目標を達成するために取るべきアクションを示唆してくれる。例えば、売り上げや利益などの将来目標値を設定すると、この目標を達成するためには広告費や材料費などの要因データ値をどうすれば良いのか、どのようなアクションをとれば目標を達成できるのかを自動的に教えてくれるとしている。
Sankeyダイアグラムを使って、物事の流れを可視化する機能「パス分析」も搭載している。代表的な活用例としては、小売業界での客の買い回り分析やウェブ上のクリックストリームの導線分析、金融業界では、資金の流れを可視化したり、物流では、物の流れと量を容易に捉え、早期の課題発見につなげられるという。
レポーティング機能も拡張され、複数セクションにまたがり適用されるフィルタを活用する「レポートレベルプロンプト」が利用できるとともに、レポート内の気になる点をクリックするとポップアップで関連情報がビジュアルに表示されるとしている。レポーティングの拡張では、表示できるチャートとしてベクトルプロットやバタフライ、株価(高値-安値)チャート、株式数とボラティリティ、バブルチェンジプロットなどが追加された。
従来から対応している「Oracle Database」「Pivotal」「Teradata」の各クラスタに加え、新たに「SAP HANA」からVisual Analyticsのインメモリ分析エンジンへのデータローディングが高速化されている。HANAに蓄えられている大量のデータを高速に取り込み、即座に集計、分析、ビジュライズが可能となり、業務効率の改善に貢献できるという。
Visual Analyticsで作成されたレポートを共有できるようにもなっている。インターフェースを一新した。最新版OSにも対応しているため、iOSタブレットとAndroidタブレットの両方でレポートをインタラクティブに共有できるとしている。Hadoopディストリビューションである「Cloudera Impala」と「Pivotal HD」のサポートも開始した。