オンラインよりも現実世界での経験を--デジタルネイティブ世代に贈る言葉

Charlie Osborne (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-01-02 08:00

学生たちへ

 少し私の言葉に耳を傾けてほしい。あなたたちの持っている新型スマートフォンは素晴らしいものだろうし、YouTubeでたわいのない話を聞く楽しさも知っているが、少し時間を取ってほしい。私は、テクノロジがあなたたちの生活にどのような影響を与えるのかについて話をしたいのだ。

 私たちは現在、変革の時代に生きている。このため、タッチタイピングを練習し、オンラインでの検索方法を学び(と言っても、Wikipediaを参照するだけで満足してはいけない)、クラスの課題のなかで「PowerPoint」の使用方法を身に付けておいてほしい。コンピュータの操作方法や電子メールの書き方を習得しておくことは、あなたたちの未来の職場で重要なスキルとなるのは間違いない。

 われわれ教師の仕事は、あなたたちの宝となる基本的で有益なスキルを身に付けられるよう、試験委員会や事務組織、官僚組織が許す範囲で手を尽くすことだ。あなたたちもその点については、われわれ以上に理解しているはずだ。

 しかし、スマートフォンやFacebook、Twitter、電子メールの使用によって、デジタル世界における人格というものが作り出されているという点を理解していない可能性がある。この人格は、あなたたちが社会に出てからもついて回るはずだ。

 あなたたちはデジタルネイティブ世代と呼ばれている。つまり時代遅れのカセットプレーヤーや、「たまごっち」、甲高い音を立ててつながるダイヤルアップ接続によるインターネットといったものに囲まれて育ってきたわけではなく、高速ブロードバンドやスマートフォン、タブレット、ウェブが生まれた時からあった世代というわけだ。あなたたちは旧世代の人々がタブレットを不器用に使っているのを見て笑っているのかもしれないが、旧世代の人々はあなたたちにないものを持ち合わせている。それは実社会での経験だ。

 友だち以外にはできない恥ずかしい話をFacebook上で公開したり、先生に対する愚痴を書いたり、落ちこぼれクラスにいる誰かに半裸の写真を送信したりするのは面白いと思えるかもしれないが、知っておくべきことがいくつかある。

 ここでプライバシーやデータ収集、オンラインで出回っている数多くのセレブのヌード写真について長々と語ってもよい。しかし、煎じ詰めるとそれらはたった1つの教訓にたどり着く。つまり、後々恥ずかしくなるようなものをオンラインで公開してはいけないということだ。攻撃的にも解釈できる常識はずれのツイートをしてみたり、酔いつぶれてゴミのなかで寝ているあなたの写真をFacebookで公開したり、上司の悪口を投稿したりするなど、お婆ちゃんに見られたくないと思うような行為は避けてほしい。それができないのであれば、プライバシー設定を最高にしておくべきだ。

 私が見つけられる投稿であれば、未来の上司も、そしてあなたの収入に関係してくる人でも見つけられるはずだ。もしも見つかれば、そのプロフェッショナルらしくない態度はあなたにあだなす結果となるだろう。また、未来の同僚があなたの仲間になりたいと思うようになる可能性も忘れないでほしい。このため、ネット上の人格をクリーンなものにしておくか、必要であればそういった人々に不安を抱かせないよう、2つ目のアカウントを用意してほしい。どういうことかって?われわれ教師のほとんどは、学生がオンラインで検索するだろうと予想して偽名を使用しているのである。

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