エムオーテックスは12月2日、「業務用スマートデバイスの利用実態調査」の結果を発表した。スマートデバイスの紛失は10人に1人が経験しており、紛失を前提とした対策が求められるという。
同社では、社会的問題となっている情報漏えいの解決、防止に貢献していく“NO MORE 情報漏えいプロジェクト”を10月に発足。今回の調査は、そのプロジェクト第2弾となる。調査対象となったのは、スマートデバイスを会社から支給されている全国30代男女のビジネスパーソン600人。
携帯電話やスマートデバイスの1日の利用時間は業務用と個人用を合わせて平均約3.8時間、業務用のみでは平均約2.7時間となった。個人用端末を利用する時間より、業務用端末を利用する時間の方が1日あたり1.6時間長いことになる。
(エムオーテックス提供)
業務用スマートデバイスに、業務と関係のないアプリをインストールしたかどうかでは、全体の40.5%が「ある」と回答。業種別にみると、建設業と情報通信業では約半数にのぼった。
スマートデバイスを介し、情報漏えいが発生してしまうことを知っていますか?(エムオーテックス提供)
スマートデバイスを介した情報漏えい“スマ漏れ”については「十分知っている」と「ある程度知っている」を合わせると76.3%が認知している結果となった。業務用スマートデバイスに関するトラブルなどの経験を質問した結果、水没・破損(11.3%)に次いで多かったのが紛失・置き忘れ(10.3%)だった。
業務用スマートデバイスについて、以下の経験はありますか?(エムオーテックス提供)
業務用スマートデバイスの運用で会社から不正利用や閲覧制限といった管理をされているか聞いたところ、「管理されていると説明を受けている(37.5%)」「そのような説明を受けた気がするので管理されていると思う(20.8%)」「特に説明はないが管理されていると思う(14.0%)」といった回答が上位となり、7割以上のビジネスパーソンは会社から管理されていることを認識している。
58.3%が、管理されていることを運用前に説明を受けることで「不正利用を思いとどまると思う」と回答。業務用スマートデバイスの安全な運用や情報漏えいを未然に防ぐためにも、社員への管理についての説明は重要だと考えられる。
プロジェクトの監修者となっているHASHコンサルティング代表の徳丸浩氏が以下のようにコメントしている。
「企業でのスマートデバイス活用が急速に進んでいることを感じるとともに、スマートデバイスの管理については課題が多いと感じた。おそらく、管理側は厳し目の統制を目指しているが、その徹底度が非常に不十分なザル状態というのが現状と思う。発想を変えて、ここから先は絶対に譲れないという緩めのラインを引いて、その緩めのラインは徹底するという方法が良いと考える。ストレージサービスなども一律に禁止するのではなく、会社で使うストレージサービスを決めてプリインストールした上で、利用法も指導していくような形がよいのではないか」