Talendは12月9日、データ統合ソフトウェア群の新版となる「Talend 5.6」をリリースした。無償でダウンロードして利用できるオープンソース版と商用版があり、商用版はTalendと販売パートナー経由で販売される。価格は保守料金を含む1年間単位のサブスクリプションライセンスで190万円から。
新版では、分散並列処理プログラミングフレームワーク「Apache Hadoop」への対応を強化した。具体的には、並列処理エンジン「Apache Spark」とストリームデータ分散処理基盤となる「Apache Storm」をサポートする。
SparkとStormのサポートで例えばSparkを使用して大規模なバッチ分析ジョブ、インタラクティブなクエリやグラフの処理を100倍高速化する、あるいは「移動中のデータ」やストリーミング情報を高い性能で分析するためにStormを導入するといったことが可能になるという。
MapReduceの処理性能も向上しており、独自のネイティブHadoopサポートのメリットを活かして、TPC-Hベンチマークのパフォーマンスは、5月にリリースされた前版に比べて24%、過去12カ月間で50%以上向上した。ユースケースによっては、約60%の性能向上としている。
また新版では“モノのインターネット(Internet of Things:IoT)”領域にも対応するようになっている。機械が生成するデータやIoTでのセンサなどの端末からのMQTTとAMQPという2つのプロトコルをサポートし、センサデータが企業のリアルタイムなデータ統合に直接連携できるようにした。
800以上あるアプリケーションコネクタとコンポーネントのリストも増やしている。データ統合ソフトウェア「Oracle GoldenGate」に含まれ、リアルタイム的にデータを統合する機能であるChange Data Capture(CDC)やHadoopディストリビューション「Microsoft HDInsight」をサポート。Salesforce.comやMarketoやNetSuiteなどのSaaSへの接続機能を強化している。
Talendでは日本語ドキュメントの整備も進めている。その一環としてTalend V5.5を対象とした日本語マニュアルを提供している。このマニュアルは、商用製品のみならずオープンソース製品のユーザーにも無料で提供される。
オープンソース版の「Talend Open Studio」と商用版の「Talend Enterprise」が用意されている。商用版は課題ごとにまとめられた「Talend Platform」も提供されている。