LinuxノートPCはDellやLenovoなどの主要なOEM、System76やZaReasonなどのLinuxベンダーが提供しており、簡単に手に入れることができるが、Linuxを「GNU/Linux」と呼ぶように呼びかけるFree Software Foundation(FSF)はそのどれも認めていない--これらのメーカーのLinuxノートPCには、プロプライエタリなファームウェアが入っているからだ。だが、その状況が変わろうとしている。
米オレゴン州ポートランドのCrowd Supplyは、オープンソースプロジェクトにフォーカスしたクラウドファウンディング/電子商取引企業だ。このCrowd Supply内に、初の純粋なフリーソフトウェアノートPCとなる「Purism Librem 15」開発プロジェクトが立ち上がった。
Crowd Supplyで展開するプロジェクトはKickstarterのようなクラウドファウンディングプロジェクトで、Purism Librem 15の目標調達額は25万ドル。これに対し、12月18日時点ですでに8万2000ドルが集まっている。「カーネル、OSはもちろん、あらゆるソフトウェアプリケーションに謎のソフトウェアが紛れ込んでいない世界初のハイエンドノートPC」とうたっている。
Librem 15を開発するPurismによると、CPUはIntel製で署名されていないBIOSコードが動くよう調整中とのことだ。これにより、将来的にフリーソフトウェアがプロプライエタリのBIOSバイナリを置き換えられるようになるとPurismは期待している。
FSF会長のRichard Stallman氏は声明文で、「署名によるチェック機構を排除することは重要なステップとなる。ファームウェア向けのコードがフリーになることではないが、ユーザーはフリーのコードを得られればユーザーがファームウェアを完全にコントロールできるようになる」と述べている。
Purismは、デバイスが動くのに必要なバイナリブロブの1つである「Intel Firmware Support Package(FSP)」に対してもソースコードを公開するよう求めている。
Librem 15はハイエンド機種を目指しており、解像度1920×1080の15.6インチ画面、3.4GHz動作のクアッドコア「Intel i7」CPU、Intel Iris Pro Graphics 5200、RAM 4Gバイト、802.11nのWi-Fi、720p対応ウェブカメラなどのスペックを予定している。価格もハイエンド級で、プロジェクトに出資することで1499ドルから購入できる。
OSは、Ubuntu Linuxを土台としたTrisquelベースのPurism 64bit GNU/Linuxを搭載する。出荷は、2015年4月予定となっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。