伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)とサイエンティア(仙台市)は、2016年1月から始まる社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)にあわせて都道府県での税務や福祉業務に関連するマイナンバー制度の運用に特化したパッケージを共同で開発。全国の都道府県向けにCTCが2月23日から提供している。マイナンバー制度の施行に関連して地方自治体全体で100億の受注を目指す。
今回共同開発されたパッケージは、各都道府県が個人に割り当てる固有の番号と国が発行する個人番号のマイナンバーを紐付けする「団体内統合宛名機能」を中心に、税務や福祉などの業務システムや中間サーバと連携するための「データ連携機能」を含め、付帯情報や閲覧権限の安全な管理を実現するという。
団体内統合宛名機能は、事務処理上必要となる個人番号や団体内統合宛名番号、業務宛名番号、基本4情報を保持、管理する機能。番号制度に対応するために庁内で一意となる団体内統合宛名番号を付番して管理する機能などを提供する。
データ連携機能は、中間サーバと業務システムの連携に必要なデータ処理を行う機能。運用支援機能は、利用を制限するために必要な権限(職員に付与する)情報を管理する職員権限管理機能を提供する。ログ管理機能は、データへのアクセスログ、起動や終了など機能の操作を収集し一元管理する。
都道府県向けマイナンバー管理システムの概要(CTC提供)
今回のパッケージは、地域情報プラットフォームに準拠したソフトウェアを主軸に仕様の公開にあわせて機能を開発するため、マイナンバー制度の導入スケジュールにあわせた迅速な構築と、仕様変更への柔軟な対応が可能という。各自治体でのシステムの利用状況に応じて、仮想サーバ上で稼働するアプリケーションと、インフラを含めたシステム全体とで提供していく。
サイエンティアは1981年5月設立。人事業務制度の運用改善や運用定着のコンサルティング、人事などのパッケージシステムとサービスを提供している。自治体や独立行政法人向けの公務員制度をベースにした人事給与統合パッケージ「U-PDS」を提供している。CTCは、大規模システムや自治体向けシステムの構築や開発で蓄積したノウハウを生かして、自治体向けのソフトウェア開発やパッケージ提供で実績のあるサイエンティアと共同でパッケージを開発する。
両社は今後も、市町村向けや企業向けに年金管理システムや健康管理システムと連携したマイナンバー対応システムを開発し、マイナンバー制度の施行にあわせて効率的な業務を可能にする安全なシステムを提供していくとしている。