FacebookがOpen Compute Project (OCP)で、高性能なマイクロサーバ向けのモジュラー型シャーシを公開した。
同技術の開発コード名は「Yosemite」(Appleの「Mac OS X」と混同しないよう注意されたい)。従来のデータセンターサーバよりも処理能力や電力量あたりのコストを改善しながら、それぞれ独立したサーバを4基までサポートするように設計されている。
FacebookのエンジニアHu Li氏は米国時間3月10日、「Facebookのようなサイトの莫大なコンピューティング需要に応える、ハードウェア設計上のアプローチは2通りある。1つめはシステムに処理能力をとめどなく追加しつづける『スケールアップ』のアプローチ」と公式ブログに書き、もう1つは、それぞれが適切なエネルギーで動く一連のシステムを構築することにより、スケールアウトする方法だと説明。そのうえで、同社は「需要に応じてスケールアウトする能力を備えたインフラストラクチャを提供すべく」Yosemite SoCを搭載するモジュラー型シャーシを設計したという。
YosemiteはOpen Rack仕様に準拠し、1ラックあたり最大192枚のSoCサーバカードを搭載できる。
提供:Facebook
またFacebookは同日、シリコンバレーで年次開催されたOCP Summitにあわせて、システム管理用のオープンソースソフトウェアフレームワーク「OpenBMC」も発表した。
同社のエンジニアであるTian Fang氏はブログ投稿で、既存の(あるいはクローズドな)バージョンのBaseboard Management Controller(BMC)技術では、サーバやホストのCPUやメモリの監視などの基本的なシステム/インフラ管理さえも満足に行えなかったと述べる。
Fang氏は以下のように書いている。
ソフトウェアについて言えば、これまでBMCのソフトウェアスタックはクローズドな状態にあった。通常、BMCのソフトウェアは、ハードウェア製造業者がハードウェアを開発する過程で作成する。クローズドであるがゆえに特定のハードウェアのために開発したものを次世代製品に使用できず、BMCのソフトウェア開発に時間がかかる結果となり、新規のハードウェア開発に支障が出ていた。そして、ハードウェアの開発が終わると、そこでBMCのソフト開発もストップする。バグフィックスや新規の機能を利用するには、ハードウェア製造業者の対応を待つしかなかった。
まだ初期段階のものだが、OpenBMCのリポジトリはGitHubにて公開されている。
またこれにあわせて、オープンなハードウェア開発に関する取り組みも発表した。
なかでも重要なのが、トップ・オブ・ラック用のネットワークスイッチ「Wedge」とLinuxをベースにした同スイッチ向けのOS「FBOSS」だ。
同社は社内で作り上げてきたデータセンター用の技術を組み合わせ、初めてオープンなモジュラー式のスイッチプラットフォーム(開発コード名:「6-pack」)を開発したと述べる。
FacebookのハードウェアネットワーキングエンジニアYuval Bachar氏は別のブログで、「共通部品のシンプルなセットを使いながら好きなサイズのスイッチを作れるアーキテクチャ」を擁する6-packと従来のモジュラー式スイッチの違いを説明した。
提供:Facebook
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。