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顧客の導線把握や社会課題の解決も--WebRTCの可能性

山田竜司 (編集部)

2015-03-12 07:00

 ガートナージャパンが主催する「ガートナー エンタープライズ・アプリケーション&アーキテクチャ サミット2015」の中で注目を集めるAPI“WebRTC”に焦点を当てたセッションがあった。NTTコミュニケーションズ Webアプリケーション エバンジェリストの小松 健作氏が登壇した。


NTTコミュニケーションズ技術開発部 Webアプリケーション エバンジェリスト 小松 健作氏

 セッションのメインテーマとなるWebRTCとはWeb Real-Time Communicationの略であり、W3C(World Wide Web Consortium)が提唱するリアルタイムコミュニケーション用のAPIの定義を指す。プラグインを必要とせず、ウェブブラウザ間で音声や、テレビ会議、ファイル共有などが可能という。

 ブラウザは、ChromeやFirefox、Operaに加え、Internet Explolerも参画予定であり、モバイルでもiOSやAndroidで利用できるなど、2019年には20億ユーザー以上の市場になるという調査もある。

 「WebRTCではブラウザでテレビ会議サービスが簡単に作れる。マーケットはアーリーアダプターのステージにあり、事例ができ始めている」(小松氏)

 現在、AmazonやAmerican Expressなどの顧客サービスで、テレビ会議機能を通じたカスタマーサービスの強化が始まっているという。米Amazonでは、顧客の商品や配送に関する疑問などに対し、アシスタントが画面越しに答えるビデオチャットサービスでWebRTCを利用。American Expressでも、エグゼクティブなど上級顧客向けにWebRTCを使ったテレビ会議機能経由でカスタマーサービスを展開していると説明した。このほか、リモートワークやオンライン教育、医療、観光補助などの領域での展開が期待できるという。


iPad用の移動可能なロボットスタンド「DOUBLE ROBOTICS」

 企業に採用されている理由として小松氏が挙げたのがコストメリットだ。ブラウザの中に機能が含まれるため、テレビ電話機能の実装が不要であり、コストが下げられるとした。

 また、P2Pでの通信が可能であることから、接続時の通信以外はサーバコストが下げられ、顧客のブラウザに依存せずに展開が可能であるなど、導入のメンテナンスの手間も少ないという。

 一方、いわゆるコストメリットだけがWebRTCの利点ではないと小松氏は主張する。

 コンタクトセンターのサービスを手掛けるジェネシス・ジャパンはWebRTCを利用したテレビ会議でのサービスを展開している。WebRTCにより「アクセス履歴から顧客がどういう導線でページに入ってきたかすぐわかる」「故障個所や不明箇所を顧客がビデオで送る」などが可能になった。これにより、顧客のサポート時の体験を向上できることやチャネルごとの分断を解消してサポート時間を短縮できるなど、WebRTCならではの利点があると指摘した。


iPhone用ロボット「Romo」をテレビ会議システムに組み合わせた

 また、iPad用の移動可能なロボットスタンド「DOUBLE ROBOTICS」などのテレビ会議機能を利用して、病床の児童がこれまでより自然な形で授業に参加した例や、iPhone用ロボット「Romo」にテレビ会議機能を組み合わせて、ラジコン大会を実施し、ローアングルな動画を作った例を紹介。ロボットとの組み合わせにより、社会課題の解決に加え、エンタメ要素での可能性もアピールした。

 「ウェブの進化は既存サービスを再構築してきた。WebRTCの登場によりただ遠隔地を写すだけのテレビ会議やウェブ会議サービスの市場で、価格破壊を引き起こす可能性がある。一方、テレビ会議機能の提供コストがこれまでよりずっと下がることで、あらゆる分野でサービスが生まれ、社会問題の解決などが期待される」と話し、WebRTCの可能性を訴えていた。

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