シンプルな構造で拡張性と可用性を保持するKVS「Riak」--Hadoopとも融合

森英悟 (Bashoジャパン) 2015年03月23日 16時00分

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 「Riak」はNoSQLの中でもキーバリューストア(KVS)に分類され、リレーショナルデータベース(RDB)のような複雑なデータの取り扱いやトランザクションの仕組みを持たない一方で、そのシンプルなデータ構造をベースにした高い拡張性と可用性を特徴としています。ここではRiakのメリットと技術的な概要を説明し、いくつか代表的なユースケースを取り上げてご紹介します。

コンシステントハッシュで分散させる

 Riakは米Basho Technologiesによって2008年に開発が始められ、オープンソースソフトウェア(OSS)として実装が進められてきました。Riakは基本的なアーキテクチャとしてAmazon Web Servicesの「DynamoDB」論文を実装する分散データベースであり、開発言語に並列処理指向言語として名高い「Erlang」を採用しています。

 Riakの基本的なデータ構造は非常にシンプルで、データを収納する箱としてのバケットにキーを持ったデータ(バリュー)を収納するものです。バケットとキーを指定してクエリを発行すればバリューの保管(PUT)と取り出し(GET)ができます。いわゆるRESTのHTTP APIの他にプロトコルバッファを使ったAPIも用意されており、主要なプログラミング言語の多くをクライアント開発に使うことができます。

図1:Riakのデータ構造
図1:Riakのデータ構造

 Riakはひとつのデータベースシステム(クラスタ)をネットワークで接続された複数のサーバ(ノード)が協調して構成するアーキテクチャを持っています。Riakのクラスタは完全なマスターレスのシステムで、どれかひとつのノードが特別な役割を持っているということがありません。

 読み書きのアクセスはクラスタ内のどのノードに対して行っても等しく処理されます。このいわゆる単一障害点(Single Point of Failure:SPOF)がないシステムアーキテクチャは、Riakのシステム設計や運用性に利点をもたらしています。

 Riakのデータはクラスタ内のノードにコンシステントハッシュ法を用いて分散配置されます。ハッシュ計算を使うことで特定のデータがどのノードに配置されるかが計算で求まるため、リクエストを受け取った各ノードは自分自身がそのデータの担当者であればそのまま処理を、そうでなければそのデータを担当するノードへデータを受け渡しすることで、完全にマスターレスなシステムが実現できるのです。

 一般的なシャーディングを用いたデータ分散では、データを分散格納する場所をシステム運用者が決定する必要があり、それに応じてデータの格納場所を何らかの形で周知する仕組みが必要です。それに比べ、コンシステントハッシュでデータを分散させるRiakでは、運用者がデータの格納場所を設定する必要はありません。このことはRiakの高い拡張性にもつながっています。

 Riakではシステムを拡張するためにクラスタにノードを追加する作業は非常にシンプルで、ノードの追加を検知したクラスタは自動的にデータを適正な位置に再配置してくれるのです。付け加えるならば、Riakは一度大きくしたクラスタからノードを引き抜くことさえも可能としています。

図2:Riakのクラスタのイメージ
図2:Riakのクラスタのイメージ

障害発生時の運用も容易に

 拡張性とならぶRiakの大きな特徴はその高い可用性にあります。Riakはもともと、大規模な分散システムでは一定の頻度でハードウェア障害が起きうることを想定して設計されており、それがシステムの可用性に及ぼす影響を最小化するように考慮されています。

 Riakはデフォルトでデータの複製(レプリカ)を3つの場所に作ります。クラスタ内のノード数が一定数以上(推奨は最低5台)あれば、このレプリカは別の物理ノードの上に作られるため、ノードが最大2つまで同時に故障したとしてもデータを失わず、システムを止めることなく運用を続けることができます。ノードが故障中には、そのノードが本来行うはずの書き込みなどの作業は別の代理ノードが引き受けることで、本来の冗長性を維持します。

 障害発生時の運用の容易さもRiakの特徴のひとつです。ノード障害が発生した時に基本的に運用者がすることは故障したノードを取り外し、新しくRiakをインストールしたノードと入れ替えることだけです。クラスタが、あるノードのデータがなくなったこと=故障ノードが新しいノードに取り替えられたことを検知すると、本来そのノードが持っていたデータをレプリカや代理ノードから取り寄せて修復します。

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