レノボ・ジャパンは、山形県米沢市のNECパーソナルコンピュータ米沢事業場で「ThinkPad」シリーズの注文仕様生産(CTO)生産を開始。記念して、3月18日にThinkPad米沢生産開始記念植樹式を開いた。
米沢市市長の安部三十郎氏は4月以降、米沢市へのふるさと納税で高額納税者にNECとレノボ・ジャパンのPCを返礼品として贈呈する計画があることを明らかにした。
NECパーソナルコンビュータ米沢事業場
米沢市 市長 安部三十郎氏
NECレノボ・ジャパングループ代表取締役社長のRoderick Lappin氏
レノボ・ジャパン 執行役員常務 横田聡一氏
米沢に明るい兆し
植樹式には、NECレノボ・ジャパングループ代表取締役社長のRoderick Lappin氏、レノボ・ジャパン執行役員常務の横田聡一氏、NECパーソナルコンピュータ執行役員の小野寺忠司氏などグループの幹部が参加した。
Lappin氏は「米沢事業場は開発、生産、品質保証という点でも重要な役割を果たすことになる。NECレノボ・ジャパングループでも、なくてはならない拠点である。Lenovoは、世界最大のPCメーカーであるが、その中でも米沢事業場は、その取り組み事例をグローバルに展開できる突出したサプライチェーンを実現できる拠点だ。ThinkPadの生産規模はまだ小さいが、今後の大きな躍進につながる取り組みだと確信している」と述べた。
米沢市市長の安部氏は「世界最新鋭のPCであるThinkPadが米沢で生産され、米沢から出荷されるということは米沢市民にとっても喜びに堪えない。海外で生産されていたものが国内に戻ってきたということは、これからの企業活動の予兆ともいえる出来事であり、米沢事業場の行くところは、これから日本の行方を示している。米沢の明るい兆しを感じることもできる。世界で初めてノートPCを開発したのは米沢のNECである」と同事業場の意義を誇った。
安部氏はまた「米沢市では小学5年生から中学3年生までのすべての子供たちに『米沢の夜明け』という冊子を配布した。この中で米沢で初めて化学繊維が作られたこと、世界で初めてノートPCを作ったこと、有機EL照明に取り組んでいることを紹介している。米沢から世の中になかったものが誕生している。NEC PCはその一端を担っている企業である。今回、植樹したのは日米友好の木であるハナミズキ。今後、米沢で作られる製品が米国や欧州などにも出荷され、世界中のユーザーに愛されることも期待したい」と期待を寄せた。
「4月以降、米沢市へのふるさと納税で高額納税者にNECとレノボ・ジャパンのPCを返礼品として贈呈する計画がある」とした。関係者によると、最終決定ではないとしながらも、「LaVie Hybrid ZERO」や「ThinkPad X1 Carbon」が返礼品の対象になる可能性が高いという。
植樹式には直江兼続マスコットキャラクター「かねたん」も来場
レノボ・ジャパンは、米沢事業での生産開始を記念して、天板にカーボン柄を採用した特別モデル「ThinkPad X1 Carbon Japan Limited Edition」を日本市場向け専用モデルとして500台限定で発売。これを米沢生産の第1号モデルとしたほか、ThinkPad X1 Carbonと「ThinkPad X250」の生産を米沢で開始。2月11日からレノボショッピングで予約販売を開始し、2月下旬から出荷している。現在、事前予約分の製造などに遅れが生じていることもあり、注文から約10日間で納品されるという。
ThinkPadは、これまでは中国・深センで生産していたが、米沢事業場でのCTO生産で受注から最短5営業日で製品を届けられるという。
日本でThinkPadが生産されたのは、1998年ごろまで神奈川県藤沢で生産されていたのが最後になる。
同社では今後、米沢事業場でのThinkPadシリーズのCTO生産を拡大。2015年度以降、ノートPCの機種追加、デスクトップPCの「Think Centre」の主要機種の米沢生産を検討していくほか、米沢生産限定モデルも企画していくという。米沢生産の一部モデルを海外市場向けに出荷することも検討していると説明している。