NECは4月7日、2015年7月のWindows Server 2003サポート終了に向けて移行支援サービスを拡充すると発表した。新たに提供されるのは、「ファイルサーバ発見サービス」「サーバ移行パック」とストレージ製品「iStorage NS300Tf」など。
Windows Server 2003のサポート終了まで約3カ月となる中で、専任の管理者を置いていない中堅中小企業などを中心として特にファイルサーバの対応が遅れていることから、NECでは今回のサービス拡充でスムーズな移行と安全な利用を支援するとしている。
ファイルサーバ発見サービスは、企業内で利用中のWindows Server 2003で動作しているファイルサーバを発見する。NECのセキュリティソフト「InfoCage不正接続防止」を活用したもので、申し込んだユーザー企業に対しNECが情報収集センサ機器「InterSec/NQ30」を送付、ユーザー企業のネットワーク環境に一定期間設置した後に回収して、NECが収集された情報を抽出、解析する。接続機器1000台までのネットワーク(セグメント)に対応可能で、1セグメントあたり最低1日間の設置が必要、申し込みから結果確認までの期間は約2週間としている。
4月15日から受け付けを開始し、限定100社まで無償提供、100社を超えた申し込みについては有償サービスでの提供になるという。発見サービスに関わる作業をNECの保守員が実施する有償サービスも用意した。従来から提供している、移行作業をNECが実施する「ファイルサーバデータ移行サービス」と組み合わせて利用することで、発見から移行までの一連の作業をまるごとNECに委託することもできる。
Windows Server 2003サポート終了での対応サービス(NEC提供)
サーバ移行パックは、ファイルサーバとしての利用に適したストレージ「iStorage NS」シリーズとデータ移行ソフトなどをセットにした。「サーバ移行パック NEDAMバンドルモデル」と「サーバ仮想化延命セット」を用意している。
NEDAMバンドルモデルは、iStorage NSシリーズと、ファイルサーバ向けデータ移行ソフトウェア「NEC Easy Data Migration for File Server(NEDAM)」のセット製品。NEDAMは運用中の業務を止めることなくデータを移行でき、手動やコマンドによるデータ移行と比較して最大2.1倍高速にデータ転送できるという。
税別価格は「iStorage NS300Tf NEDAMバンドルモデル」が47万8000円から、「iStorage NS100Te NEDAMバンドルモデル」が22万8000円から。4月24日から出荷する。
仮想化延命セットは、Windows Server 2003で動作しているアプリケーションサーバで運用されている業務アプリケーションが最新OSに未対応であったり、対応するためのアプリケーション改造が間に合わないといったユーザー企業が対象。現状のシステムを仮想環境上へ移行し、一時的に延命して利用し続けられるよう、仮想化機能を有効にした状態で出荷される「Windows Server 2012 R2 Standard」と、サポートが終了したOSのセキュリティ対策に有効なソフトウェア「McAfee Embedded Control」をセットで提供する。
McAfee Embedded Controlは、システム管理者があらかじめ定めたプログラム以外の起動を制限することで未知のウイルスや不正なプログラムの動作を防ぎ、仮想環境上へ移行した現行システムを安全に使い続けられるとしている。税別価格は22万円から、4月22日から出荷する。
iStorage NSシリーズの新製品のiStorage NS300Tfは、CPUにPentium G3240、従来機比2倍のメモリを搭載、クライアントからのアクセス性能を従来機比で30%向上させたと説明。同社では、Windows Server 2003で構築されたファイルサーバを複数まとめて管理する統合ストレージとして最適としている。税別価格は税別44万8000円から、4月24日から出荷する。