キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は、3Dモデルデータ(3Dデータ)から“3D PDF”ドキュメントを受託して制作する「3D PDFドキュメント制作サービス」を4月7日から提供している。費用は3Dデータの容量や種類、付加させるアニメーションの有無など条件で異なるが、目安としてA4版1シートあたり8万円から。
製造業などではこれまで、設計や製造の各部門で作られた3Dデータは部門内にとどまり、CADソフトを持たないサポートや商品企画の部門などでは3Dデータが活用されにくいといった状況があった。このため、サービスマニュアルや商品カタログ制作の際には他のグラフィックソフトを使って新たに画像を作り直すなど、非効率な業務の発生が課題となっていた。
今回のサービスは、キヤノンITSが幅広く展開している3Dソリューション事業の経験とノウハウをもとに、3Dデータの活用範囲を拡大させるものとして提供されるという。3D PDFは、CADソフトなどで作成した3DデータをAdobe Reader上でインタラクティブに操作、再生できるように埋め込んだPDFドキュメント。
キヤノンITSは、3DデータのPDFへのコンバートやアニメーション機能などを付加した見栄えの良い3D PDFドキュメントの制作など、ノウハウが必要で業務負荷の高い作業を顧客に代わって担い、3Dデータ利活用の促進を支援する。
ユーザーが見たい角度で3Dデータを表示したり、3Dデータにアニメーションを加えて再現したりするなど、3Dデータを活用した表現力豊かなコンテンツをReaderだけで閲覧できる。3D PDFはデータ容量も非常に小さいため、さまざまなシーンで3Dデータを活用できるという。
同サービスに関連して、顧客の要望に沿った3D PDFドキュメントを制作できるよう、事前にヒアリング、3D PDFドキュメント制作以降のデータ管理に関するコンサルティングやシステム開発など付帯する作業も提案する。
3D PDFドキュメント活用イメージ(キャノンITS提供)