――一般に、IoTの導入やSoEとの連携などにIT部門が消極的だと聞きます。
今まで「システムを保守する」ことにプライオリティを置いていた部門としては、SoRを外部システムと連携させたり、変更を前提に(システムを)構築したりすることには抵抗があるのでしょう。気持ちは理解できますが、実際はIT部門こそがIoTシステム構築の鍵を握っていると考えています。
BOLユーザーがIoT Foundationで考えたアイデアを、具現化して実装するのはIT部門です。例えばセキュリティの実装でも「どのレベルのデータを、どのレベルの強度で、どんな技術を用いて実装すればいいか」を熟知しているのはIT部門です。残念ながら、現時点においては、そうした役割分担や外部連携ができていません。この部分は、今後の変化が求められる部分でしょう。
こうした問題を解決するには、例えば、社内ハッカソンの開催などが有用です。IoT Foundationを使用し、LOBユーザーとIT部門が一緒になってアプリ/サービスを作ったり、社内で部署横断的な(仮想)プロジェクトを発足してアイデアを持ち寄ったりすれば、システムの連携だけでなく、人の連携もシームレスになると考えています。
――企業も組織改革が必要ですね。
将来的には企業内の組織変更ではなく、外部との連携も見据えた組織運営とシステム管理が必要になると考えています。IoTは71兆ドル規模の市場です。
これだけの規模があれば、競争しなくても関係者全員が“食べていける”のです。組織や会社の壁を越え、さまざまなアイデアを出し合って協働していくことが、IoTを成功させる鍵であると考えています。