人材不足を解消--CAなど、メインフレーム技術者育成で教育プログラム

大河原克行 2015年05月22日 07時00分

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 CA Technologiesは5月21日、メインフレーム技術者育成支援を目的とした「メインフレーム・アカデミー」を発表した。コンピューターサイエンス(CSC)と共同で7月から開講する。

 メインフレーム・アカデミーは、メインフレーム環境を管理するためのコアプログラミングスキルを習得することが目的。8日間の「コア1」コース(税別受講料65万1000円)と、5日間の「コア2」コース(同44万5000円)を用意。IT初心者や新入社員向けにメインフレームを教育する。コア1とコア2を同時に申し込んだ際の受講料は99万2000円となる。コア1は7月、10月に開催する予定であり、コア2は8月と11月、2016年2月に予定している。

 CA Technologiesは、チェコで若手エンジニアを短期間でメインフレーム環境の製品開発者に育成した実績があると説明。この実績をもとに、メインフレーム初級教育用に開発し、北米市場に展開しているのがメインフレーム・アカデミーとなる。すでに212人が受講した実績を持っているという。

 CA Technologies ビジネス・システム営業部シニアディレクターの丸山智之氏は「メインフレームは、金融業界などを中心に現在でも重要なシステムで利用されている。メインフレームは衰退するといわれていたが、実際には特定の業種ではメインフレームの数が増加しているという傾向も見られている」と現状を解説した。

丸山智之氏
CA Technologies ビジネス・システム営業部 シニアディレクター 丸山智之氏

 「一方で、メインフレームの知識を持った技術者が定年退職したり、2000年以降、脱メインフレームの動きが加速したりしたため分散系技術の技術者育成に主眼が置かれた結果、メインフレームの技術者不足は深刻な状況になっている。また、メインフレームの技術者育成にはコストがかかる、あるいは最適な手段がないという問題がある。こうした課題を解決するのがメインフレーム・アカデミーになる」(丸山氏)

 米国では8週間の連続プログラムとなっているが、「日本の企業の環境を考えると、8週間の設定は難しいと考え、1週間のコースを基本としている」という。米国では実機を利用したカリキュラムを充実させるなど「余裕を持った期間で構成されている」(丸山氏)ため、日本ではそれらの時間を短縮することで1週間のコースを実現したという。

 受講者は、OS「z/OS」の基礎習得のほか、相互対話式のコマンドラインインタープリタ「TSO(Time Sharing Option)」とTSOでのプログラムの実行プラットフォーム「ISPF(Interactive System Productivity Facility)」の基本操作、ジョブを制御するためのスクリプト言語「JCL(Job Control Language)」の詳細学習、インタープリタ言語「REXX」の演習、ジョブを制御するなどのシステムの状況を表示、検索する機能である「SDSF(System Display and Search Facility)」、システムパラメータの内容把握などのカリキュラムで基本的なメインフレーム操作を行えるようになる。REXXのプログラミングスキルの獲得はオプションで提供するという。

 コア1では、z/OSの概要が1日、TSO/ISPF操作で3日間、JCLの詳細で4日間で構成。コア2では、ユーティリティで1日、システムプログラミングで2日、z/OS構成とサブシステムで4日間の構成となっている。

 「企業からは実践的なトレーニングであることが求められているほか、短期間で育成したいという要望がある。メインフレーム・アカデミーは、効果的な集中トレーニングで公認メインフレーム・プロフェッショナルの資格を取得でき、実体験に基づいたプロジェクトベースの学習カリキュラムと、最新技術を組み合わせた最善の指導をいつでも受けることができる。実践的なプロジェクトベースのカリキュラムとしているため、用語を暗記するといったものは排除。業務に必要なものにフォーカスした。エラー発生時の対応方法や分析の仕方に、カリキュラム時間の多くを割り当てている」という。

 専任講師による集合研修を実施。実機環境によるプロジェクト(シナリオ)ベースの実習、eラーニングでの予習と復習のほか、受講終了後には認定書も発行する。

 受講者は、CA Technologiesが30年以上にわたって蓄積したメインフレームライブラリに、1年間限定でアクセスが可能であるほか、CA Technologiesによる全世界を結んだメインフレームソーシャルネットワークにもアクセスできる。復習などの用途として、eラーニングのカリキュラムも1年間利用できるという。

 「企業にとっても、メインフレーム専任の教育担当を持たなくて済むこと、慢性的なエンジニア不足の解消、プログラム受講後に即戦力として活用できること、スキル不足による開発と運用リスクの回避といったメリットがある」(丸山氏)

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