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仮想サーバ8000台を稼働--新製品「z13」に見るIBMメインフレーム50年の重み

大河原克行

2015-01-16 19:08

 日本IBMは1月15日、メインフレームの新製品「IBM z13」を発表した。3月9日から出荷する。これまで「System z」としていたメインフレームのブランド名は「z Systems」に変更する。

 同日の会見で日本IBM 常務執行役員 システム製品事業本部長 武藤和博氏は「z Systemsは、CAMSS(クラウド、アナテリィクス、モバイル、ソーシャル、セキュリティ)に対応する機能をふんだんに盛り込んだシステムとしての新たな名称になる。z13は、基幹業務処理、モバイル連携、アナリティクスを1台で実現するメインフレームを超えたメインフレーム」と説明した。

武藤和博氏
日本IBM 常務執行役員 システム製品事業本部長 武藤和博氏

 z13は、10億ドル以上の投資、5年以上の開発期間、500以上にものぼる新しい特許で製品化されたもので、モバイル市場を中心として発生される数兆単位のトランザクションを処理しながら、効率的にデータを分析し、これらをセキュアな環境で実現する最新のコンピュータシステムと説明している。

 最大141コア、従来システムに比べて約3倍となる最大10Tバイトのメモリを搭載可能であり、従来モデルの「IBM zEnterprise EC12(zEC12)」に比べて、プロセッサ処理能力は40%向上、CP性能では13%向上している。暗号化処理性能も約2倍という。11万1556MIPS、1コアあたり1695MIPSを実現し、コアあたり50以上の仮想サーバを稼働。1台のz13で最大8000台の仮想サーバを稼働させられるとしている。

 「z13は、1日25億トランザクションを処理する能力を持つ初のシステムであり、今後のトランザクションの爆発的な増加にも対応できる。高付加価値で革新的な技術を提供するIBMのコミットを強調することになる」などとした。

 z13上で稼働するz Systemsクラウドは、x86サーバ上のクラウドと比較すると3年間で32%、パブリッククラウドとの比較では3年間で60%の総所有コスト(TCO)を削減できるとした。LinuxとKVMに加えて、オープンソースソフトウェア(OSS)のIaaS環境構築管理ソフトウェア「OpenStack」もサポートする。障害予兆検知機能や災害対応機能でシステムの連続稼働を実現しているという。

宇田茂雄氏
日本IBM 取締役執行役員 テクニカル・リーダーシップ担当 宇田茂雄氏

 「z13は、CMOS搭載のメインフレームを投入してから13番目にあたる製品。プロセッサ能力の大幅な向上に加えて、システムI/Oバンド幅を大きく引き上げ、メモリも大幅に増やしたのが今回の進化。データをやりとりする部分、データを格納する部分をジャンプアップさせている」(日本IBM 取締役執行役員 テクニカル・リーダーシップ担当 宇田茂雄氏)

 同時マルチスレッドにも初めて対応。データウェアハウス(DWH)製品の「Netteza」の機能を使用したDB2 for z/OS専用クエリアクセラレータである「IBM DB2 Analytics Accelerator(DB2AA)」により、レポート作成やクエリの応答時間、システム資源の消費をチューニングレスのまま劇的に改善。特に複雑な分析処理を大幅に高速化できるという。

 分析処理を高速化するSIMDプロセッサを標準搭載。同時マルチスレッド(SMT)に対応したデータベース専用処理エンジン「zIIP」、データ圧縮機能「zEDC」で効率的にデータを圧縮できるとしている。

z13
z13(日本IBM提供)

 「Hybrid Transaction/Analytical Processing Platform(HTAP)にも対応し、1台のz13だけで、基幹業務処理、モバイル連携、アナリティクスに対して、すべてをリアルタイムで対応できる」(宇田氏)

 日本IBMでは、Linux on z Systemsのさらなる推進に向けて、新規顧客開拓のための従量制料金やクラウドレディパッケージの提供、他社サーバからz Systemsへの移行を促進するための移行支援チームの増強、TCOを評価する専門チームの拡充を図るという。

50年間ウイルス被害がゼロ

 武藤氏は、現状について「2015年における個人用モバイル機器の販売台数は57億台。インターネットにつながるデバイスの数は1兆台という状況であり、予測のつかないトランザクションが発生する。しかも、3秒以内に応答がない場合にアプリを停止する人が57%と3分の2近くになり、不快な思いをした場合には40%のユーザーが他のサイトへ移動してしまうという状況にある。企業にとっては非常に脅威であるが、チャンスでもある」と説明した。

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