米IBMは米国時間10月6日、メインフレーム「IBM System z」の機能追加を発表した。トランザクションデータ上にアナリティクスを統合する。データが処理されると同時に即実行可能な洞察を獲得することで企業の業務処理をリアルタイムに分析できるという。この機能により、ユーザー企業の売上向上の機会を創出するとともに、不正行為を防止することで損失を最小限にとどめられるとしている。
この新機能は、従来から備えるデータ処理性能にデータ分析機能を完全に一体化させたもので、メインフレームがトランザクション発生と同時に分析し、リアルタイムに洞察を導けるという。約55%の企業向けアプリケーションはトランザクションを完結するためにメインフレームを必要としているとされ、リアルタイムにトランザクションを分析し不正を防止することで、不正行為が起きてからそれを発見、対応する場合と比べて、大幅に損失を削減できるようになると説明している。
アナリティクスとトランザクション処理のリアルタイムな統合は、企業と顧客との接点が生み出す顧客情報の価値を高めることにもつながるという。System z基盤上に分析機能を実装することで、ソーシャルメディアをリアルタイムに分析できるようになり、リアルタイムにサービスや商品が消費者にどのように受け入れられているのか、今どうすべきか、についての洞察を得られるとしている。新しく追加される機能の概要は以下の通り。
- InfoSphere BigInsights for Linux on System z:System zで稼働するLinux上で非構造化データを並列で処理するソフトウェア「IBM InfoSphere BigInsights」が稼働する
- DB2 Analytics Accelerator:複雑な検索処理の応答時間を最大2000倍短縮させると同時にセキュリティを強化する
- Elastic Storage for Linux on System z:System zのLinux環境向けに「Elastic Storage」を拡張する
- Cloud Manager with OpenStack for System z:System zやPower、x86の異種が混合したクラウドを管理する