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CA、「System z」向けクラウドバックアップソフト--Amazon S3などに保管

NO BUDGET 田中好伸 (編集部)

2014-06-26 14:15

 CA Technologiesは6月24日、メインフレーム「IBM System z」で処理したデータをクラウドにバックアップし保管するソフトウェア「CA Cloud Storage for System z」の提供を開始した。ソフトウェア製品だが、転送量で課金される。512Tバイトの場合、1カ月で1Gバイトあたり20~27円となっている。

 Cloud Storage for System zは、IaaS/PaaS「Amazon Web Services(AWS)」で提供されるオブジェクトストレージ「Amazon Simple Storage Service(S3)」とアーカイブとして使える「Amazon Glacier」にデータをバックアップする。System zからのデータは、リバーベッドテクノロジーが提供するクラウドストレージアプライアンス「Riverbed SteelStore(旧Whitewater)」でS3やGlacierに転送される。

David Browne氏
CA Technologies ソフトウェアエンジニアリング担当バイスプレジデント David Browne氏
寺前滋人氏
リバーベッド シニアテクニカルコンサルタント 寺前滋人氏
今野芳弘氏
アマゾン データ サービス ジャパン パートナー・アライアンス本部 本部長 今野芳弘氏

 SteelStoreは、リバーベッドのWAN最適化で得た技術をもとに、データを重複排除して容量を削減するとともに、複数の小さなファイル群として保存して転送する。データは256ビットのAESで暗号化される。暗号化されたデータはSSL/TLSで転送される。バックアップ対象となるデータにはCIFS/NFSのプロトコルでアクセスし、クラウドストレージにはHTTPプロトコルを使ってREST形式でアクセスする方式を取っている。

 重複排除技術で「100あったデータを10に圧縮してバックアップできる」(リバーベッド シニアテクニカルコンサルタント 寺前滋人氏)ことから、クラウドストレージ上でもムダに容量を使うこともない。非同期でクラウドにデータを転送するSteelStoreにはキャッシュが置かれ、直近のデータはローカルに残ることになる。

 つまり「すべてをクラウドから戻すことにはならない」(寺前氏)。単一のデータを複数世代で管理する場合はローカルのキャッシュとクラウドを管理することになる。寺前氏はSteelStoreのメリットについて「一度構築してしまえば、後はメンテナンスフリー」と説明している。

 Cloud Storage for System zは、CAが提供している「バックアップソフトウェアをSteelStore用にCIFS/NFSにマウントできるように機能を拡張した」(CA Technologiesソフトウェアエンジニアリング担当バイスプレジデントDavid Browne氏)ものだ。

 今回のソフトウェアは2013年11月に米国で発表され、すでに数社が導入している。その中の米大手製薬企業では、バックアップに関連するコストの削減が課題になっていたという。製薬や医療といった業界では、重要な業務文書を7年間保存することが法律で義務付けられている。加えて、治験データや実験記録といった文書は、いつでも参照できる状態にしておきたいが、コストをあまりかけることができないといった課題もある。

 Cloud Storage for System zを早期導入した製薬企業は「1年後に必要となる記録容量を予測してストレージを導入するといったことがなくなった」(Browne氏)とメリットを説明している。

 バックアップ先は、S3とGlacierを利用できる。オブジェクトストレージのS3は、東京を含めた8つの“リージョン”からどの拠点に置くかを選ぶ(AWSのデータセンターは複数で構成されており、リージョンと呼ばれている)。S3に置かれたデータは3カ所のデータセンターに自動で複製されることになり「99.999999999%、ナインイレブンという高い耐久性で守られる」(アマゾン データ サービス ジャパン パートナー・アライアンス本部 本部長 今野芳弘氏)という。

 S3の利用単価は1カ月あたり1Gバイトが3.3円。これより安価に利用なのが1カ月あたり1Gバイトが1円となるGlacierだ。Glacierはバックアップとして利用できるが、アーカイブとしての側面の方が強い。

 S3より安価だが、Glacierからデータをリカバリするのに「5~6時間かかる」(今野氏)ことになる。SteelStoreからS3/Glacierへのインバウンドのデータ転送は無料だが、S3/Glacierからユーザー企業へのアウトバウンドのデータ転送は1Gバイトあたり20セントの料金がかかる。

 提供が始まったCloud Storage for System zは、SteelStoreとS3/Glacierでの利用が前提となっている。System zのユーザー企業には興味深い技術と言えるが、実際の利用では、ユーザー企業がSteelStoreを導入し、S3/Glacierの契約を交わす必要があり、それぞれに費用がかかる。CAやリバーベッド、アマゾンのパートナー企業がこれらをパッケージしてワンストップで提供できる体制が望まれる。

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