アプリメーカーは、Appleの「iOS」向け開発者プログラムに99ドルを支払うべきか、それとも「OS X」のプログラムに支払うべきかで悩む必要はなくなる。
米国時間6月8日にWorldwide Developers Conference(WWDC)で行われた基調講演を受けて、Appleはこの2つのプログラムを年間99ドルの1つのプログラムに一本化すると発表した。同社はこのプログラムで、iOSのアプリと緊密に結びついている「watchOS」もサポートする。
この変更は、基調講演の最後に、Appleの各デバイスプラットフォーム(ノートブックとデスクトップ、モバイルデバイス、スマートウォッチ)の3つのロゴを並べたスクリーンの前で、最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏が述べた考えを反映したものだ。
これらの製品が実現している連携の水準は、ハードウェアとソフトウェアの両方を手掛けるApple以外の競合他社には難しい。
同社はまた、この数年間、さまざまなデバイスで共通のコードを利用できるようにするための取り組みを進めると同時に、「Handoff」や「Continuity」の導入、デスクトップとモバイルデバイスの画面で表示されるApple製アプリの外見を似せるなど、異なるデバイス間の連携強化を進めてきた。
MicrosoftとGoogleでも、プラットフォーム間連携の取り組みはある程度進んでいる。「Windows 10」では、スマートフォン、タブレット、ノートPC、デスクトップなどさまざまなデバイスの画面で1つのソフトウェアを実行することができる。Googleは、「Chrome」と「Android」で使用できるバックエンドサービスやウェブツールを提供している。
しかしGoogleとMicrosoftの場合、ユーザーは必ずしもその会社のハードウェアを使っているわけではない。この点では、うまく連携できるデバイスを求めるユーザーにとっては、Appleが有利だと言える。
Appleが今回、アプリメーカーが同社の製品ライン全体を利用しやすくする施策を打つのはこれが理由だ。少なくとも、そのためにかかる費用は少しだけ安くなる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。