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アップルのプログラミング言語「Swift」はどこまで「オープン」になるのか?

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-06-18 06:30

 Appleの「Worldwide Developers Conference」(WWDC)が一番盛り上がったのは、同社が「iOS 9」や「OS X 10.11」(開発コード名:「El Capitan」)を発表したときではなかった。開発者から1分間近く喝采を浴びたのは、Appleが「Swift」をオープンソース化すると発表したときだった。

 Appleが2014年に発表したSwiftは、「iOS」や「OS X」向けに高速なプログラムを開発するための使いやすい言語だ。さらに、SwiftはAppleの既存フレームワークである「Cocoa」と「Cocoa Touch」にも適合し、同じ「LLVM」コンパイラを使用する。Objective-Cのオプティマイザ、自動ベクトル化、自動参照カウント(Automatic Reference Counting:ARC)メモリマネージャ、ランタイムも使う。Swiftは既に大きな人気を博している。

 Swiftの人気をさらに高めるため、そして、そのコードをさらに向上させるため、AppleはSwiftをオープンソース化する道を選択した。AppleはOpen Source Initiative(OSI)承認のpermissive(許容的)ライセンスの下でコンパイラと標準ライブラリを含むSwiftのソースコードを公開する予定だ。AppleはOS X、iOS、およびLinux向けのSwiftのポートも提供する。最後に、「われわれはコミュニティからの貢献を受け入れる。むしろ、それを奨励する」と同社は述べた。

 一部の人々は今回の動きを大いに歓迎している。RedditYcombへの投稿者は概ねSwiftのオープンソース化に大喜びだ。テクノロジ分野の求人サイト「Dice」のテクノロジライターであるNick Kolakowski氏は、「AppleはSwiftのオープンソース化について、iOSとMac OS Xだけを対象に開発を行う人々だけでなく、あらゆる種類の開発者に利益をもたらすものと位置づけている」と述べた。

 The Linux Foundationのエグゼクティブディレクターを務めるJim Zemlin氏はブログで、「これは、Appleにとって賢明な動きであり、開発者コミュニティにとっては大きな勝利である。Appleは昔から開発者を大切にしてきたが、先週、プログラミング言語に対する事実上標準的なアプローチとなった重要な戦略、つまりオープンソースを採用した」と述べている。

 「オープンソースでは、自分のテクノロジを誰が利用するのか全く分からないが、それは良いことだ。プログラミング言語をオープンソース化すると、普及が促されるだけでなく、コラボレーションも活発化する。プログラマーがこれまでより簡単に共有を行って、バグを特定し、自分の選んだプラットフォームでそのプログラミング言語を使うことができるからだ」(Zemlin氏)

 Zemlin氏はオープンソースの利点を説いているが、Appleが本当にオープンソースという名の宗教に改宗したのか確信を持てない人もいる。

 開発者向けのアナリスト企業Red Monkのプリンシパルアナリスト兼共同創設者のStephen O'Grady氏は、Appleがライセンスを明示していないことに懸念を抱く。O'Grady氏はインタビューで、「ライセンスはOSI承認かつpermissiveになるとAppleは約束している。もちろん、前者は正式にオープンソースを名乗るのに必要なものだ。一方、後者はプログラミング言語にとって比較的普通のことで、『Java』はその最も顕著な例外である」と述べた。

 O'Grady氏にとって、本当に問題なのはライセンスではない。Appleは「Darwin」(OS Xの基礎をなすBSD UNIX)や「WebKit」ブラウザエンジン、「CUPS」(オープンソースの印刷システム)など、重要なオープンソースプロジェクトを既にいくつか展開している。しかし、Appleがこれまでやってこなかったのは、こうしたシステムをサポートすることだ。

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