「WebSphere」のランタイム、DevOps支援機能を強化--Dockerにも対応

NO BUDGET

2015-06-17 13:50

 日本IBMは6月16日、ウェブアプリケーションサーバ「IBM WebSphere Application Server(WAS)」で2種類の製品を発表した。企業でのウェブアプリケーションの迅速な開発、導入とハイブリッドクラウド環境への移行を支援するという。

 WASの軽量ランタイムである「Liberty Profile」のDevOps支援機能を強化し、最新の業界標準仕様である「Java Platform, Enterprise Edition 7(Java EE 7)」とオープンなコンテナ技術の「Docker」に対応した。Java EE 7では、HTML5対応を強力にサポートする機能の追加、開発生産性向上、企業向けアプリケーションへの対応が強化されている。Java EE 7 に対応した最新のLiberty Profileは6月27日から提供する。

 Liberty ProfileのHTML5対応機能は、クライアントとサーバ間の双方向プッシュ技術「WebSocket」、インターフェースの設計モデルであるRESTfulなウェブサービスで相互に連携する機能、標準ウェブアプリケーションフレームワークである「JavaServer Faces(JSF)」の最新版などが追加されている。

 依存性の注入(Dependency Injection:DI)のためのCDI(Contexts and Dependency Injection)、Javaのオブジェクトとデータベースを連携させるJava Persistence API(JPA)も改善され、開発生産性の向上をもたらすという。新しくJava Batchの機能が追加され、多くの企業で使用されているバッチ処理のアプリケーションを標準のAPIを使用して作成できるようになっている。

 DevOps支援では、従来から対応する、プロジェクト管理ツール「Maven」や継続的インテグレーション(CI)ツール「Jenkins」などの連携に加えて、Dockerに対応する。DockerコンテナにLibertyプロファイルサーバを容易に組み込めるという。無償の開発ツールである「WebSphere Application Server Developer Tools」と管理コンソールである「Administration Center(Admin Center)」を同時に機能拡張し、開発と構成管理の生産性向上を支援すると説明している。

 IBMのIaaS「SoftLayer」上で事前構成された「IBM Application Server on Cloud」も提供する。WASのフルプロファイル機能をSoftLayer上の専用インスタンスで提供し、WASで稼働していたウェブアプリケーションを容易かつ迅速にクラウド環境に移行できるという。

 使用量に応じた月額料金で提供することで、短期間だけ使用したいアプリケーションの実行環境に最適と説明。フルプロファイルが提供していたワークロードのプロビジョニング機能や高可用性(HA)機能を利用できるとしている。Application Server on Cloudの税別費用は、SoftLayer上の4コア、メモリ32Gバイト、1Tバイトディスクの占有インスタンス環境で月額117万5000円から。

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