垂直統合型システム基盤、2014年はWin XPサポ終了特需の反動減:IDC予測

山田竜司 (編集部)

2015-07-15 16:06

 IDC Japanは7月15日、サーバやディスクストレージ、ネットワーク機器、ソフトウェアを統合した垂直統合型システム製品、同社では“インテグレーテッドシステム”と呼ぶ市場の2019年の予測を発表した。同市場の規模は、2014年の393億7500万円の1.6倍に当たる、643億5000万円になると予測した。2014~2019年の年平均成長率(CAGR)は10.3%。2014年の市場規模は前年比15.5%増の393億7500万円。成長率は、2013年の84.4%増に比べると下がった。

 製品分類別では、サーバやディスクストレージ、ネットワーク機器、管理ソフトさらにソフトを加えるなど、システムを最適化した「インテグレーテッドインフラストラクチャ」が市場の44.9%に当たる176億9600万円、用途を限定せずに分散型のワークロードを広くサポートできるように構成される「インテグレーテッドプラットフォーム」が市場の55.1%に当たる216億7900万円となった。

 インテグレーテッドインフラストラクチャの成長率は、2013年は272.2%増だったが、2014年は8.0%増にとどまった。インテグレーテッドプラットフォームの成長率は、2014年も2年連続で20%台を維持した。2019年のインテグレーテッドプラットフォームの構成比は、2014年の55.1%から、65.3%に上昇すると予測した。

 インテグレーテッドインフラストラクチャの成長率が、2014年に大きく落ち込んだ背景に、デスクトップ仮想化(VDI)用途での採用機会の減少があると説明する。Windows XPのサポート終了への対策として、2014年3月まではVDI用に活用するケースが多く報告されたと指摘。インテグレーテッドインフラストラクチャ採用のメリットである「サイジングやシステム構成などといった導入までにかかる工数の大幅な削減」が高く評価されていた。しかし、Windows XPサポート終了への対応という特需が過ぎ去った後、採用機会が減ったと説明する。

 また、市場全体に占めるインテグレーテッドインフラストラクチャの出荷額構成比を、国内市場と世界市場で比較すると、世界市場の方が国内市場よりもインテグレーテッドインフラストラクチャの構成比が高い状況にあるという。2014年における同構成比は、国内市場が44.9%、世界市場が62.6%だったとした。


2014年393億7500万円 国内インテグレーテッドシステム市場 製品分類別出荷額構成比: 2014年と2019年の比較(IDC提供) 

2019年 643億5000万円

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