モバイルアイアン・ジャパンは7月16日、モバイルデバイスを業務に利用する際のプライバシーに関する従業員の期待を調べた“信頼格差(Trust Gap)”の結果を発表した。個人のモバイルデバイス上で行われる業務の量は増加傾向にあり、従業員は雇用主がデバイス上にある個人情報を保護すると期待していることが分かった。
調査はMobileIronがHarris Pollに委託し、2014年12月17日~2015年1月22日にオンラインで実施された。フランス(502人)、ドイツ(501人)、日本(503人)、スペイン(500人)、英国(503人)、米国(1012人)で仕事目的でモバイルデバイスを利用しているフルタイムとパートタイムの成人従業員で合計3521人を対象にした。
調査の結果、モバイルワーカーの86%がスマートフォンを所持し、仕事目的で使用、同様にタブレットを使用しているのは37%だった。全体の61%が、モバイルデバイス上の個人情報保護について雇用主を信頼しており、会社が私物のスマートフォンやタブレット上にある個人情報(個人のメールやテキストメッセージ、写真など)を見ることができるならば仕事を辞める、と30%が回答している。
これらの従業員の大部分は、会社がモバイルデバイス上の個人情報のプライバシーを守っていると信じているものの、特定の種類の個人データについてはまだ不安を感じている。2013年7月の最初の調査と比較すると、モバイルワーカーは会社側が以下の項目を閲覧することを快く思っていないということが分かる。
- 個人のメールと添付ファイル:52%(14%減)
- 個人の連絡先:49%(10%減)
- テキスト/インスタントメッセージ:48%(15%減)
- ボイスメール:45%(10%減)
- 通話の詳細やネットの使用状況:45%(8%減)
- 自分のデバイス上にあるすべてのモバイルアプリ内の情報:44%(10%減)
- 位置情報:42%(6%減)
- デバイス上の全アプリの一覧:41%(5%減)
同社は、モバイルデバイスによく慣れ親しんでいるユーザー層を“M世代(Gneration M)”と定義。具体的には18~34歳の男性、または家庭に18歳未満の子どもがいる者を指している。M世代は、それ以外の従業員と比較して、自分のモバイルデバイス上にある個人情報を会社に見られることに対して抵抗感が薄い傾向がみられる。
M世代の従業員の62%が、モバイルデバイス上の個人情報の少なくとも一部は会社に見られても構わないと回答したのに対し、M世代以外の従業員で同様の回答をした割合は51%だった。M世代の従業員が会社に見られても構わないと感じている項目は次の通り。
- 位置情報:43%(M世代以外で34%)
- デバイス上の全アプリの一覧:43%(同33%)
- 通話の詳細やネットの使用状況:41%(同31%)
- 自分のデバイス上にあるすべてのモバイルアプリ内の情報:40%(同29%)
- テキスト/インスタントメッセージ:38%(同26%)
- ボイスメール:37%(同29%)
- 個人の連絡先:37%(同25%)
- 個人のメールと添付ファイル:34%(同22%)
調査を行った6カ国の中で、モバイルデバイス上の個人情報保護について雇用主を信頼している従業員の割合は、ドイツが最も高い(74%)。対照的に、モバイルデバイス上の個人情報保護について雇用主を信頼していない従業員の割合は、日本が最も高い(53%)。
自分たちのモバイルデバイス上にある情報を会社が何でも閲覧できると考えている従業員の割合は、スペインが最も高い(52%)。英国では、男性従業員(49%)の方が女性従業員(35%)より有意に高い割合で、自分のモバイルデバイス上にある個人情報と企業情報を会社が閲覧できると考えている