オレゴン州ポートランド発--Googleは米国時間7月21日、OSCONでオープンソースのコンテナ展開・管理ツールである「Kubernetes」のバージョン1.0をリリースすることを発表した。これは、本番環境での一般的な利用が可能になることを意味する。
読者の多くはKubernetesを知らないだろうが、知らないうちにこの技術を日常的に使っている可能性が高い。Googleのプログラムを実行すると(検索、「Gmail」、「Docs」など)、そのプログラムはGoogle独自のコンテナ技術である「lmctfy」(Let Me Contain That For You)を使って実行される。その何十億ものコンテナを作成し、管理しているプログラムがKubernetesだ。
それを考えれば、本番環境で利用できる準備が整っていると聞かされても違和感はない。しかし、GoogleはKubernetesが同社の「Linux」を使用したデータセンター以外の、ほかのプラットフォーム、ほかのクラウドプラットフォーム、あるいはほかのOSでも利用できるようにすることを望んでいた。
GoogleはOpenStack Foundationに参加したが、その主な目的はKubernetesを「Magnum」を通じて「OpenStack」のプロジェクトで利用できるようにすることだった。MagnumはKubernetesとOpenStackを統合するものだ。
2014年に、GoogleはKubernetesと「Azure」を統合するため、Microsoftとパートナーシップを結んだ。また2015年には、Mesosphereの「Datacenter Operationg System」(DCOS)でKubernetesを使えるようにするため、同社と協力関係を結んでいる。DCOSは、オープンソースのクラスタマネージャ「Apache Mesos」をベースにしており、DockerコンテナのDCOSでの利用を楽にしてくれる。
お分かりだろうか。コンテナやクラウドの奥義に注意を払っている人だけが知る世界で、Kubernetesはすでに事実上あらゆるクラウドで利用できるようになっているのだ。ただし、「Amazon Web Services」だけはその大きな例外だ。Amazonは「Amazon EC2 Container Services」(ECS)でKubernetesと争う構えを見せている。
KubernetesはGoogleだけのプロジェクトではない。KubernetesはGoogleのオープンソースプロジェクトの中で、もっとも人気があり成功しているプロジェクトの1つだ。現時点で、Kubernetesには400を超えるコントリビュータから1万4000件のコミットがある。これらのコードの修正は、Red Hat、CoreOS、IBM、Intel、Microsoft、VMwareの開発者を始めとする多くの開発者によるものだ。それに加え、Kubernetesはすでに、Box、eBay、Shippableなどの大手企業の本番環境で利用されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。