CoreOS、「Tectonic」プロジェクトを発表--「Kubernetes」をエンタープライズに

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2015-04-07 10:30

 CoreOSの最初の計画は、コンテナ対応のLinuxをクラウドにもたらすというものだった。CoreOSは現在でもその計画の実現に向けて作業中だが、新たに「Tectonic」というプログラムを発表した。これは、Googleのコンテナ管理システム「Kubernetes」をエンタープライズにもたらすというものだ。

 KubernetesはGoogleのオープンソースプログラムで、企業はこれを利用してLinuxコンテナのクラスタを1つのシステムのように管理できる。Dockerに代表されるコンテナ技術ではコンテナの作成と管理が可能だが、Kubernetesはコンテナと仮想マシン(VM)で構成されるクラスタのオーケストレーションと管理を可能にするものだ。Kubernetesは実証済みの技術であり、検索を含むGoogleのすべてのアプリケーションがKubernetesが管理するコンテナで動いている。

 CoreOSが発表したTectonicは、CoreOS、コンテナ、Kubernetesの商用ディストリビューションとなり、分散されたコンテナベースのソフトウェアインフラに移行する企業向けのエンタープライズソフトウェアスタックを目指して設計されている。Kubernetes、CoreOS、Dockerなどの技術は独自に試すことができるが、Tectonicを利用することでユーザーが本来業務に集中きるというのがCoreOSのメッセージだ。

 CoreOSはGoogleのコードを利用してTectonicを構築するだけではない。同社は同時に、Google Venturesが率いる1200万ドルの投資ラウンドも発表した。また、Kleiner Perkins Caufield&Byers(KPCB)、Fuel Capital、Accel Partnersなどによる2000万ドルの追加投資を受けることも発表している。

 CoreOSは一部のベータ顧客向けにTectonicの提供を開始する。正式なエンタープライズソリューションには、統合Linuxコンテナプラットフォームと実装自動化ツールが含まれる予定だ。Linuxコンテナプラットフォームは、サーバOS、コンテナランタイムとネットワーキング、ブラウザベースのユーザーインターフェースを持つクラスタ管理コンソール、そしてKubernetesで構成されるという。


Tectonicでは、コンテナのクラスタを1つのウェブインターフェースで運用することができる。
提供:CoreOS

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  3. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]